もうすぐ9月というのにまだまだ暑い日が続いています。今年の夏は全国的に例年にない酷暑となり、皆さんもいささかウンザリしておられることでしょう。
今日は、その暑さに対して植物がどれほど貢献してくれているかについてお話します。
ご存知のように、植物は空気中の二酸化炭素を葉から吸収して、我々に必要な酸素を供給してくれます(①二酸化炭素吸収の効用)。同時に、根からは地中の水を吸い上げて使い、最後に葉から水蒸気として放出しており、水は水蒸気になる時に周囲から熱を奪います。つまり周囲の気温を下げる冷却効果(②気温を下げる効用)があるのです。
それでは、このような植物の生命活動は、効果としてどれだけの量を生み出すのでしょうか。ハイムにもたくさんある落葉広葉樹の一つ、ケヤキを例にとって、次のステップ毎に計算してみたいと思います。(ケヤキは地上1.2mの高さでの幹直径が約40cmの大きさと想定します。これはハイムでの平均的なものです。)
ステップ1.総葉面積(㎡):
植物の活動は、それぞれが茂らせている葉の表面積と密接に関係します。
樹木の種類や大きさによって、葉面積は異なりますが、幹の直径が約40cmのケヤキの場合、おおよその総葉面積は約700㎡となります。
ステップ2.二酸化炭素吸収量(kg/㎡/年):
二酸化炭素吸収量は樹木によっても異なりますが、一般的にケヤキの場合は、2.3kg/㎡/年です。これに、総葉面積700㎡を掛けますと次の計算が成り立ちます。
2.3 kg/㎡/年 x 総葉面積700㎡=1,610(kg/年)
つまり、年間に約1.6トンの二酸化炭素を吸収します。
ステップ3.蒸散量(葉から水蒸気を放出する量 リットル/年):
蒸散量は、二酸化炭素吸収量x170で計算されますので、次の計算が成り立ちます。
二酸化炭素吸収量1,610 x 170 = 273,700(リットル/年)
つまり、年間に約274キロリットルの水蒸気を放出しています。
ステップ4.蒸発熱(Kcal/年):
蒸発熱は、蒸散量x582.8で計算されますので、次の計算が成り立ちます。
蒸散量273.7 x 582.8 = 159,512(Kcal/年)
つまり、年間に約16万 Kcalの熱を周囲から奪っています。
さて以上の計算で得られた数値からどんなことが分かるでしょうか?
その1.ガソリン685リットル消費分の二酸化炭素を吸収する。
二酸化炭素吸収能力そのものについては、次のことが言えます。
ガソリン1リットルの消費で生じる二酸化炭素の量は約2.35kgです。
したがって、二酸化炭素吸収量1,610÷2.35 = 685
つまり、このケヤキ1本は年間でガソリン685リットルを使った時と同量の二酸化炭素を吸収していることになります。

その2.家庭用エアコン63時間運転分の冷却効果がある。
蒸発熱の冷却効果がどれほどのものか、身近な家庭用エアコンと比較してみましょう。
家庭用エアコン1時間の運転での冷却効果は約2,500Kcalです。
したがって、蒸発熱 159,512÷ 2,500 = 63.8
つまり、このケヤキ1本で、年間の冷却効果として家庭用エアコンの連続運転、63.8時間分に相当するとの計算になります。
言い換えればエアコンを一日9時間運転するとして、ケヤキ1本の年間の働きは 63.8÷ 9 = 7.088… つまり、エアコン7台を同時に連続9時間稼働させたと同じだけの冷却効果を生み出すわけです。

因みに、ハイムにはケヤキだけでも34本ありますから、約240台分のエアコンが設置されているということもできます。さらに、クスノキの場合はエアコン270台分、他の樹木もそれぞれが同様の働きをしているわけですから、もしも、ハイムに樹木がなければこの冷却効果が期待できないことになり、今年の酷暑に加え、さらに気温が上昇していたであろうことが想像されます。

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