野口英世と言えば、彼が子供の頃、手に大やけどを負ったこと、アフリカへ黄熱病の研究に行き、自ら感染してしまい、亡くなったことなど、ほとんどの日本人が知る努力の人である。
2004年から千円札には、彼の肖像画が登用されている。英世の伝記は、既に数多く出版されているが、その多くはアメリカでの生活を語っていない。そもそも、どういう経緯でアメリカに行くことになったのかが、筆者には謎であった。
ある時筆者は、英世が「ロックフェラー医学研究所」の上級研究員として活躍していたことを知り、大変驚いた。筆者は石油王といわれたアメリカのジョン・D・ロックフェラーについても、関心を持っている。ロックフェラーは石油事業で莫大な富を築いたが、そのほとんどを慈善事業に使っている。中でも「ロックフェラー医学研究所」を設立し、この研究所が人類を苦しめる病気の克服に貢献したことは、特筆すべき事例であろう。
この小文は英世がなぜアメリカに渡ったのか?アメリカではどのような生活をしていたのか?どのような経緯でロックフェラーとの関係ができたのか?そして、なぜ黄熱病に感染してしまったのか?これらの疑問に、筆者なりの回答を提示するものである。
齋藤英雄

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