夜中の3時。
暑くて眠れなかったが外に出てみると、空気はみどりの香りでさわやかだった。
これはハイムに草木が茂っているからだ。
多摩川の水の流れも涼しいのか。
自転車置き場の子ども乗せの自転車も、整列して眠っている。
七百戸の部屋も安らかに眠っている。
ポリスボックスも平穏である。
コンビニのお兄さんが店内を掃除している。
中野島駅のベンチでは、若いサラリーマンが電車に乗り遅れたのか、眠っている。

そよ風が、サミットの方から流れてくる。
ハイムの人々は、安らかな夢の中だ。
幸せの流れが漂っている散歩道。
サミットを横に回ると、若いヒヨドリが眼を光らせて鳴き始めた。
カラスも飛び立った。
五号棟の桜の下に来ると、羽化した蝉が鳴き出した。
一匹、二匹、子どもがいたら羽化の姿が見られるならと思いながら。
集会場に来ると大きな欅の木でも、蝉が鳴き始めた。
二号棟の部屋に電気が点いた。もうお勤めの準備か、ご苦労さん。
新聞配達の車も入ってきた。 
ああ!もう今日の始まりだ!
ハイムの皆さん、ぐっすり眠れたかな。
鳥も虫たちも、ぐっすり眠っていたようだ。
暑い!暑い!猛暑だ!という真夏でも、真夜中の散歩は、涼やかな時があるのですよ。
とお伝えします。

それは樹木や草花のおかげでしょう。
夜露を含んだそよ風にあたると、ハイムの至福の時が味わえます。 
ああ!もう白みかけてきた。さ、帰って眠ろう。小鳥たちが起きないうちに。 
早朝四時十分。
ハイムの朝が――――――。
 

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