2号棟のどこかの部屋からフルートの練習が聞こえてきていた。
私の少年時代、木琴の練習は、紙にエンピツで描かかれた木琴で、カッコウの唄を練習させられた。
つまり音の出ない木琴の練習だった。
それで音楽の時間が嫌になってボイコットして
叱られた時代を思い出しながら、
上手に吹いている子供さんの練習に立ち止まっては聞いたものだ。

でも知らぬ間に聞こえなくなってしまった。
ピアノを弾いている上級生の演奏も聞いて、自分がきちんと音楽を続けてこなかったことを悔いながらも、
見えぬ演奏者がたくましく思えて、胸が熱くなって、そのお子さんの成長を期待していたので、
いま聞こえてこないのは、どうなったのかなと気がかりになる。
 
私の心の中に失っていたものを埋めてくれていたフルートの音、ピアノの音だったが。
 

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