映画が描いた登戸

『登戸』というさほどメジャーではない地名が、ふたつの悪いニュースで、全国に繰り返し流れたのは残念です。

登戸駅に隣接する南武線の南、小田急線の西側一帯は、更地になって、新しいビルが次々に建とうとしています。完成は5年後と聞いたように思いますが、そのころにはいいイメージを取り戻せていますように。

巣ごもり生活中のYouTube探訪で、1953年公開の東宝映画『花の中の娘たち』に出会いました。
登戸の梨農家が舞台です。中野島でもロケを行ったそうです。   冒頭のナレーションで、登戸は「人が渡る橋がない。そのため、東京とたった川一つ隔てて隣り合ったとは思えない、ひなびた田園風景が広がっている。人々の暮らしにも考え方にも、都会から遥かに遠いものが残されている」と紹介されます。

工事中の多摩水道橋が映ります。多摩川橋梁を渡っていく小田急は、焦げ茶色の車両2、3両編成。多摩沿線道路は狭く、時々大型車が通ります。
言葉にもかなり訛りがあります。広い梨園の棚は大人が腰をかがめなくてもスイスイ歩ける高さです。梨は二十世紀、登戸で開発したというセリフが出てきます。千葉のはずですが。

主役は杉葉子という、日本的な面立ちのスラリとした女優。見たことがないのでWikiで調べたら、結婚して渡米したそうです。助演は、おさげ髪に頬の赤い岡田茉莉子、それに、純朴だけど、演技もまだ上手とは思えない小林桂樹です。

70年近く前の映画ですから劇的な展開はなく、あっても淡々と描かれますが、当時のこの近辺の田園風景と生活ぶりとが味わえます。お時間があればご覧ください。

著作権との兼ね合いでしょう、誰かがYouTubeに上げては消され、消されてはまた別の誰かが上げるという繰り返しのようです。
今は こちら から見られますが、ダメになったら、YouTubeの検索窓に 花の中の娘たち と入れて探し当ててください。

  (U)  

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Optionally add an image (JPEG only)