明るい弱虫ライターあつこ61のびくびく日記(34)「知らんけど」って「知らん」の5段活用?

「知らんけど」
この言葉に出会ったのは
岸田奈美さんのnoteの1番最後の行だった。

え?
知らないことを話していたのか?
こんな盛り上がった話のラスト行なのに。

いやいや、これはユーモアだよね。
わかっていたけど、釈然としなかった。
ずっと真剣に追っていた気持ちがするりと逃げてしまったような、違和感があった。
きっと笑うところなのだろう。ここ。

わたしには、生粋の大阪弁の友人はいない。大阪弁はテレビで聞くものであって会社でも家庭でも実際に接することがほとんどなかった。

なんなら、大阪には2度しか行ったことがない。1度は大阪の万国博覧会の時(小学生)。
もう一度は旅行の途中に日程の関係でビジネスホテルに一泊した。特に何かを食べた記憶もない。

次女のなっちゃんが幼稚園の時、仲良しの花ちゃんのお母さんが大阪人だった。
気さくで面白い人だった。お父さんの転勤で突然引っ越しをすることになった。大阪に戻るのだ。
お餞別に何か送りたかった。

あつこ「何か欲しいものある?」
花ちゃんママ「お金が、ええなあ」

驚いた。爆弾並みに驚いた。
ほしいものがお金と言われたのは、生まれてはじめての経験だった。弱虫あつこは、とても言えない。

悩んだあげく現金2000円を封筒に入れて渡した。
だいたいそのぐらいの予算で品物を買おうと思っていたからだ。

花ちゃんママ「ほんまにお金やー」

喜んでくれた。いやー、大阪の人ってすごい。

他の友達がハンカチを送っていた。
花ちゃんママ「きれいなハンカチやー」

まったく悪気がない。
とりあえず言ってみて、その願いが叶ったら嬉しいし、その通りでなくても気にしないのだ。たくましいなぁ。全然違うなぁ。
それが、大阪の人の印象だ。

そして、この「知らんけど」である。

日本経済新聞の記事を読んだ。

画像
日本経済新聞のFacebookの投稿より

「知らん」には5段活用があったらしい。
↓もともとの記事

関西弁、最後に「知らんけど」 笑い絡ませ表現に奥行き東京出身の記者(33)は大阪に赴任して1年半。関西での日々の暮らしの中で戸惑ったのは、真面目な会話をしていても、最後に「知らんけど」と付け足す人が多いことだ。少し無責任にも感じる言葉だが、そこには商業の街として栄えた大阪の歴史、土地柄も密接に絡んでいるらしい。

 

「知らんけど」って大阪の人の知恵がこもっているのだ。

あいまいさで場を和ませる。
ちゃんと知らないことの責任回避をはかる。
若い人では8割近くが「知らんけど」をよく使う。ビジネスの場でも使うことがある。笑いを誘う言葉でもある。

最近よく使うようになってきた言葉だという。
確かに花ちゃんママは「知らんけど」とはあまり言ってなかった(25年前)。

ズバッと言いきらないところでほんわかとした思いやりを示している。
「行けたら行く」も本意は「行けない」だが、オブラートに包んで言っている。

なるほどねえ。
もし私だったら「知らんけど」の代わりにどんな言葉を使うだろう。
「多分そうじゃないかなぁ」
「そうかもしれないね」
そんな感じ?
うーん。関東にはなさそうだ。

「知らん」の5段活用に込められた優しい思い、根っこのところを私はまだ理解していないのだ。
ちょっぴりずるいなぁと思ってしまう。

近くて遠い大阪。これからの研究課題としよう。知らんけど(←ぎこちない使い方)

つづく

 

編集者注:
明るい弱虫ライターあつこ61さんは、noteで毎日記事を更新中です。https://note.com/atsuko_writer55

 

著者紹介
あつこ(61)明るい弱虫ライター
●明るいのに小心者。びくびく。●日本証券業協会「お金について考えていること」入賞 ●定年「理科系夫」育て●朝日新聞リライフ「ビブリオバトル」優勝 ●関心のあること Apple Watch、睡眠分析、お墓探し、メルカリ、任天堂Switch、ポケモン、二世帯住宅、介護、孫保育、通信大学
●noteで毎日記事を更新中です。https://note.com/atsuko_writer55

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