手拭いの暖簾(18)鶴
深々と降りしきる雪の中でひっそりと翼を休めて横一列に並ぶ鶴。
降り積もる雪に厳寒の厳しさが感じられます。
その中で肩を寄せ合い労わりあっているような赤い可愛い目。この目に見つめられて私も寒い冬を乗り越えられたのかも知れません。
数ある手拭いの中で同じのが2枚あるのはこの図柄だけです。ペアに吊るされた迫力かも知れません。
かつて湿原を歩きたくて箱根の湿生花園、長野の車山の八島ヶ原湿原、尾瀬を桧枝岐の方から行きました。でもいつも人出を避けての季節外れではカサカサに乾燥していました。
2018年の7月。旅で知り合った方が釧路でネイチャーガイドをされています。(大変難関の資格のようです。)その方に私は釧路湿原、家人は北前船や開拓の歴史を知りたいとお願いして3泊4日の旅をしました。
丹頂鶴公園で飼育されているのを十分に堪能し、知識を得ていざ湿原へ。木道を歩き、いくつかの展望台では異なる方向から広大な湿原を眺めました。そして一日かけて殆ど一周しました。
冬でなければ湿原で丹頂鶴は見られませんから予備知識が鶴の飛ぶさまを想像させてくれました。余日の観光も余すところなく走り回り見物。本職のガイド付きっきりの行き届いた有意義な旅でした。
食のダントツは厚岸の岩ガキでした。
秋にもう一度来て下さいとの約束は未だ果たせていません。
AZ
素晴らしい「鶴の暖簾」観させていただきましてありがとうございました。いかにも当地の厳しい冬、静かな夜にしんしんと降るなかに身を寄せ合って佇んでいるタンチョウの情景そのもので、感激・首肯のひと時でした。
冬になると湿原の沼や川が凍結してタンチョウたちが餌を摂れなくなり、厳冬期が続いている今も湿原周辺の5ヶ所の給餌場に連日それぞれ100羽以上ものタンチョウたちが毎朝ねぐらの川から飛来し、夕方まで来訪者を楽しませてくれています。
当地の冬は本州の皆様には寒さが応えましょうが、それでもダウンのコートなど着れば十分です。12月初旬からから3月末までが給餌期間で、春分が過ぎる頃からタンチョウたちはつがい毎に湿原に戻って巣作りが始まり、産卵そして雛を育てることになります。
コロナ禍が収束に向かいましたら、「夕鶴」の世界に思いを馳せながら是非皆様もタンチョウの鑑賞にお出かけ下さいますよう心からお待ち申し上げます。 お礼まで
角田さん
コメントをありがとうございます。楽しく有意義に満喫した釧路の旅を懐かしく思い出されます。
「旅先でも手当たり次第にシャッターを押すだけで写真家のようにじっくり構えて撮ることなどほとんどないので芸術的な写真は1枚もありません。雰囲気だけでも汲み取って頂ければ幸甚です」という言葉と共に送って下さった写真の一部を皆様に別途ご覧頂くことにします。毎日がシャッターチャンスの写真からはタンチョウの躍動が伝わってきます。感動しました。もう一度お越しくださいという意味が少しわかりました。一年を通じてのタンチョウの営みはその日その時が観光シーズンなのですね。いつの日かもう一度丹頂に会えれば、会いたいという思いの叶う事を願っています。どうかお元気で活動をお続けになられますように祈っております。