手拭いの暖簾(2)藍染め

藍染めの手拭いに巡り合った経緯をお話します。

ハイムのひろば 2020年4月3日の蚕影山(こかげさん)信仰の投稿記事がありました。

生田緑地の民家園に養蚕の神様の年に一度の御開帳があり祠も開かれているという。この変化の多い目まぐるしい世の中で来年を頼みにしてはもう見る機会がないかも?とある種の不安に駆られました。あまり散歩は好きでない私も家人と共にいざ民家園へ!

西入り口の伝統工芸館から入りました。身分証明を提示しながらも目は藍甕や作品に向いていました。そして鯉が2匹の手拭いを見つけたのでした。丁度端午お節句も近づいていました。ただ暖簾にするには図案の位置が少しずれています。その旨話すと寸法を決めて染めてあげますとの嬉しい返事。

出来上がったら運動を兼ねて受け取りに来ることにして、その時に手袋も追加に欲しいと伝えて代金を払いました。住所と電話も残して置いたようです。しかし、すっかり忘却の彼方でした。

しばらくして次の電話がありました。

「出来上がったけれど明日からコロナの影響で休館になるので送ります。郵送料は?この次来られた時に覚えておられたら180円お払いください。」

こう言われては忘れることは出来ない!とポチ袋にすぐに入れて置きました。ところが何日待っても届きません。この頃登戸郵便局でコロナの陽性患者が出て配達がストッしていたのです。2週間余りたって丁寧なメモと共にやっと手に入りました。4月26日のことでした。5月5日に間に合いました。

その後忘れることなく郵便代を渡し、手袋2つと12種類の葉っぱの染め抜かれた「生田緑地のはっぱてぬぐい」を求めて帰りました。鯉と木の葉のペアで暖簾が吊り下げられました。(なお、手袋は、散歩の時の日やけ止めです。いろいろな図柄で染めて下さっていたので選ぶのに楽しくも時間が掛かりました。心遣いに安らぎを覚えました。)

その後ある野菜スタンドのそばに馬頭観音と蚕影山の石碑を見つけました。昔はそれぞれの屋敷の中に立てたとのことを、その家の方から聞きました。

ハイムのひろば「ぶらり中野島歴史話散歩」2月26日「石仏・石碑を訪ねて」も併せてご覧ください。蚕影山の記事に心から感謝しています。ありがとうございます。

AZ

編集部注 文中の記事について

・4月3日の蚕影山(こかげさん)信仰については、こちらからご覧いただけます。

・「ぶらり中野島歴史話散歩」2月26日「石仏・石碑を訪ねて」については、こちらからご覧いただけます。

手拭いの暖簾(2)藍染め” に対して1件のコメントがあります。

  1. アバター 古希カラス より:

    蚕影山の記事から藍染めの手拭いに繋がる経緯を楽しく拝読しました。きっかけと結果があまりにもかけ離れていたことに驚きとある意味での羨ましさを感じました。

    日常の何でもない出来事に出会った時でも、私たちには様々な感情が湧き出てきます。心を穏やかにして、その感情を大切に育てていくと、後々にとても楽しいことに繋がることがあります。

    今回の、このお話はまさにその典型のようなもので、何事にも好奇心を忘れず常に疑問を持ち、次にどのような行動をとるかを考える。そして、できることなら実行してみる。結果を畏れず挑戦してみることの大切さを教えていただきました。

    60歳台後半で大病を経験し、これからどうやって生きていけばいいのかを初めて考えた時、答えはなかなか出ませんでした。古希を迎えた時ある本に出合い、「新しいことを始めなさい」という言葉に刺激を受けました。以来、挑戦し続けています。

    「こかげさん」で元気にしています!

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