ダンゴムシ日記

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夏の朝、4歳の兄が3歳になったばかりの弟の手をとってハイムの「森の小道」へ連れ出した。集会室へ向かう坂を登って私は二人を追いかける。
すでに蝉の大合唱が始まっている。
トンボは昨日の雨水をもらいに集まってきた。
空をみあげるとちょうちょが飛んでいる。

森の小道に着くと、さっそく蝉の抜け殻探しが始まった。兄弟が競い合うように蝉の抜け殻を探す。その理由は、わかっている。ばあばに渡すためだ!
兄「見つけた!ばあばに渡そうっと」
弟「○○くん(自分)がばあばに渡す!」

兄が蝉の抜け殻を虫かごに入れて、さらにその抜け殻を隠すようによつ葉のクローバをかぶせて、その虫かごを持って逃げ回る。弟が兄を追いかける。いつの間にか鬼ごっこが始まっていた。
弟が芝生の上で転んだ。草にいたバッタが驚いて飛び跳ねる。そして今度はバッタを捕まるのに二人とも夢中になる。

蝉の抜け殻探しで完敗した弟が今度は素手で2匹のバッタを捕まえた。これには兄も負けたと感じたようで、さっきの抜け殻が入っている虫かごを差し出す。
虫かごには1匹の抜け殻と、2匹のバッタと、よつ葉のクローバー
なんともまとまりがないがないが、ばあばへのお土産ができたことに安堵してか、二人とも家路についた。

その帰り道に広場でさっき出会ったはずの元昆虫少年のおじさまが息子達のために捕まえてくれただろう蝉を持って再び広場に戻ってきた。

兄「せみさん、お家にかえしてあげないと」
それを聞いていたのか、突然弟が素手でつかんでいた蝉を離した。
兄弟「木のお家へ帰ってね〜」

ハイムの歴史の中で育ってきた自然や生き物、出会う人々のおかげで息子達は成長している。
来年は蝉をとるために木登りするのだろうか。蝉を何匹捕まえたか兄弟で競うのだろう。蝉の抜け殻を誰かにプレゼントするのだろう。
息子達から蝉の抜け殻をプレゼントされても驚かないでくださいね。

ダンゴムシ日記” に対して3件のコメントがあります。

  1. アバター おばちゃん より:

    ハイムの自然の中で育まれたお子さんとやさしいお母さまの情景が目に浮かび心がほっと温まります。
    今年はコロナ感染拡大で子供たちにとって楽しい夏休みも海や山にも出掛けられずほんとうにかわいそう。
    そんな中、ハイムの「森の小道」で蝉さんの抜け殻やバッタさんを探すことができよかったね。
    これからも元気にハイムの中を駆け回りいっぱい思い出を作ってね。

  2. アバター ダンゴムシボーヤの母 より:

    ハイムの自然や「森の小道」に入ると、子供達は次から次へと遊びを変えて夢中になります。時にはダンゴムシやバッタがおもちゃになることもありますが(汗)、息子達は小さいながらに生き物や自然を大切にする心が育まれていることを日々感じています。

  3. アバター 八咫烏 より:

    微笑ましくていい光景ですね。森の小道での兄弟の思い出はいつまでも心の中に残るでしょう。

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