チョコレートで腸の善玉菌を増やせる!?
家族でチョコレートが好きで、3時のおやつによく出てくる。認知症予防、血圧低下、動脈硬化のリスク軽減などと理屈をつけて食べているが、最近、我が家では、カカオ分72%のチョコレートをよく買うようになった。
チョコの成分でよく聞くのが「カカオポリフェノール」。2014年から愛知県蒲郡市で行なわれた市民347人を対象にした健康調査によると、認知症の予防や動脈硬化のリスク軽減などの効果があることがわかった。この調査結果で、「便通が改善した」という報告があったが、ポリフェノールでは説明できない結果だったそうだ。
帝京大の古賀准教授によると、「カカオタンパク質が関わっているのでは」と予測し、その抽出・分離に初めて成功し、大豆や牛乳などのタンパク質と比べて消化されにくく、大腸まで届くことを明らかにした。
明治と共同で、便秘気味の女性31人を2群に分け、カカオ分72%の高カカオチョコと、カカオタンパク質を含まないホワイトチョコを、それぞれ毎日25グラム、2週間食べてもらうという実験をしたところ、ホワイトチョコ・グループにはあまり変化がなかったが、高カカオグループは、排便回数が週2.8回から4.9回に、1回の排便量も2倍以上の増加が見られたという。
腸内細菌を調べると、「フィーカリバクテリウム」という善玉菌が約2.5倍増えていたことから、「カカオタンパク質が善玉菌の餌になり、腸内環境が改善した」ことが分かったという。毎日少しずつ食べることが大切で、少量でも様々な効果が出るのでカロリーも気にするほどではないという。
しかし、高カカオチョコレートはカカオの含量が多いことから、当然、脂質が多くエネルギーは相対的に高い。脂質の割合が40.7~53.5%であり普通のチョコレートと比べて1.2~1.5倍含まれている。好きなものほど、ついつい度を越して食べてしまうのが常なので十分な注意が必要だ。
(参考:朝日新聞、その他)