笑説ハイムのひろば54~祝!100記事達成!「フランスあれこれ」

2023年2月16日鏡孝一郎による「フランスあれこれ」の記事「優雅な船上生活」が公開された。この記事を読み終えた西野敏彦の胸には万感たる思いがあった。第一回投稿作品「盲目のノコギリ奏者 – 私のカルチャーショック」が掲載されたのは、ハイム文芸館サイトオープン間もなくの2018年11月19日のことだった。第50回目の作品「シャルトルの薔薇窓(私のステンドグラスの始まり」(2021年3月25日掲載)を経て、今回の記事に繋がり、見事100回目の投稿達成となった。

編集者としての西野は、執筆者である鏡孝一郎に対し、謹んでお祝いとお礼を言いたい気持ちでいっぱいだ。振り返れば、文芸館のスピンアウトが決まりサイトの完成が近づくにつれて、鏡に対し何度も何度も繰り返し執筆のお願いをした。しかし、ここハイムの住民も外国の話にはそれほど興味はないだろうし、自分の記憶も消えかけているから難しいとの返事で固辞され続けた。

それでも諦めきれず、尻込みする鏡に説得を続けた結果、ようやく書いてみようかという気になってもらえた。書き始めてからしばらくは「なかなかネタがない」と言って筆はそれほど進まなかった。しかし、飲み仲間でお互いの昔話をしているうちにだんだん思い出したようで、「それ面白いネタですよ。是非書いてください。」と言われ、一挙に弾みがついたようだった。編集者としてはこの時してやったりの気分であった。

鏡にとってみれば、次第に薄れゆく50年以上前の記憶を少しずつ辿りながら執筆することは大変ではあろうが、一方で、記憶を蘇らせるという作業は、脳に刺激を与え若さを保つことに繋がると思うのが西野の考えである。自分自身もそう信じて執筆活動をしているし、この思いが鏡に届いたと勝手に思っている。趣味であっても義務感が強くなるとストレスになることもあるが、それを乗り越えれば達成感という喜びが待っているのだ。

どんなテーマにしても、ひとつのテーマについて継続して書くということは生易しいことではない。まして読む人を楽しませることのできる内容を書こうと思えばそれなりの筆力が必要だ。筆力とは何だろうか?おそらくそれは、事象についての観察力とそれを受けとる感受性、さらに表現力によって読み手の印象が随分と変化するだろう。世に文学者と言われる人は多くいるが、人気作家と言われる人は多かれ少なかれそういう能力に優れているのであろう。

ただ、プロの作家のことだけではなく、学府で文学を特別学んだ人でなくても文章の上手な人はいるものだ。文学専門の学者ではない理科系の学者にもそういう人は多くいる。むしろ理科系の人のほうが頭の中の構造がよりスッキリしているのかもしれない。修飾語でやたら文を飾りつけるのではなく必要最低限の言葉で事象を伝えることの出来る人だ。その意味で西野は、「太宰治心中の謎」や「宮沢賢治人気の秘密」などを書いた斉田英樹の文章にも魅了されている。西野などは、文章を直ぐに飾りつけたくなる性分でいつも修正ばかりしており反省の日々なのだ。

「ハイムのひろば」もまもなく丸5年を迎える。つくる会メンバーをはじめ、ハイム住民、その友人・知人の外部投稿者など多くの人のおかげでここまでやってこれた。たかが一つのマンションの管理組合ウェブサイトが曲がりなりにもここまで成長できたことに、そしてメンバーの一人として関わることができたことに西野は感謝と誇りを感じている。後は、次の世代が現メンバーの思いを引き継いでさらに成長させてほしいと願うばかりである。

次に100記事を達成する人が現れるのを期待して!

蓬城 新

 

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