ハイム・ウィークリー 第12号

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    ハイムウィークリー12号 2020-1-31
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    ☆ ちょっと格調高く「短歌特集」
    【中野島発の週刊メールマガジン】
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    ◆ 編集長の独り言
    1. 短歌とは?
    2. 短歌の歴史
    3. 短歌の作り方・ルール
    4. 短歌の用語集
    5. 文芸館 短歌作品集
    6. ぶらり中野島歴史散歩
    ◆ 編集後記
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    詳細はこちら↓
    https://heimnohiroba.com/mag-20200131/

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    □■ 編集長の独り言 ■□
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    ハイムには短歌クラブはありませんが、ハイムのひろば文芸館では、唯一人、短歌を作っておられる方の作品を掲載しております。しかし、私自身は不調法で短歌を作ったこともなく、ただ、ページに並べていくだけでは編集長として恥ずべきことであると思いました。

    そこで、今回は前号の俳句に続き短歌について、基礎知識や歴史について少し調べたことを入門編として紹介しようと思います。無知な私が書くことですの間違いや不十分な点をご指摘、ご教示を是非お願いしたいと思います。

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    □1. 短歌とは? □
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    短歌は、五七五七七の五句三十一音の形式で表現される文芸です。歌人・文芸評論家の三枝昂之さんは短歌について、「短歌は人の体温に一番近い表現形式」と表現しています。日々の暮らしの中で感じた事などを表現出来るのが短歌の魅力です。

    【和歌と短歌の違い】
    簡単にいうと、近世までが和歌と呼ばれ、それ以降は短歌という呼び名に変わりました。和歌とはもともとは漢詩に対する言葉であり、短歌だけでなく長唄や旋頭歌、仏足石歌など、日本の歌全般”を指していました。そのうち和歌の中でも短歌が主になり、和歌=短歌として定着していったのです。

    【和歌革新運動】
    明治期の歌人、正岡子規が「歌よみに与ふる書」の中で、それまでの短歌の規範となっていた「古今和歌集」を批判しました。
    与謝野鉄幹も、短歌は自身のオリジナリティを重要視するべきだとして、「自我の詩」宣言を行います。そして与謝野鉄幹の雑誌「明星」で与謝野晶子がより自由な短歌を発表し、”和歌”から”短歌”へ時代が移り変わったのです。この時期の動きは、「和歌革新運動」と呼ばれています。

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    □2. 短歌の歴史 □
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    短歌の起源としては、「記紀歌謡」や、七世紀後半から八世紀後半にかけて成立した「万葉集」が挙げられます。万葉集は全二十巻からなっており、四千五百首以上の歌が収められています。

    万葉集に続いて古今和歌集、新古今和歌集などが続き、短歌は貴族の嗜みとして詠まれるようになっていきました。

    中世に入り貴族から武士の時代に変わると、短歌は歴史の表舞台から遠ざかります。更に室町時代には連歌や俳句が庶民に流行したことで、短歌は更に影を薄めました。

    短歌の歴史としては、江戸中期に滑稽を主にした”狂歌”が流行した事も見逃せません。

    そして明治に入ると、国家としてのアイデンティティを確立する為に天皇・後続の御歌や歌会を取り扱う御歌所が宮内省に設けられます。その後正岡子規らによる和歌革新運動を経て、現代の短歌へつながっていったのです。

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    □3. 短歌の作り方・ルール □
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    短歌は、五七五七七の五句三十一音の形式で表現される文芸です。この形の決まりは創作を制限するものではなく、より創作しやすくなるように出来ているものです。なので「敷居が高そう」だからといって、短歌から離れてしまうのはもったいありません。

    自分の感じたこと、考えた事を整理して表現出来るように五句三十一音という形式があるのです。また、短歌は俳句のように、季語を入れないといけないという決まりもありません。

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    □4. 短歌の用語集 □
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    短歌の世界で使われる独特の用語などをご紹介したいと思います。

    【結社】短歌の世界では同好会のような集まりの事を結社と呼びます。短歌に精通した先生などが主宰となり、会員の研鑽を目的としています。似たようなものに同人誌もありますが、こちらには先生はいません。参加者同士が作品を発表し合い、お互いの研鑽を目的としています。

    【歌会】歌会とは、作った短歌を発表してお互いに批評し合う集まりの事です。結社の主な活動も、この歌会の開催です。

    【吟行】短歌を作る為に名所や野外などに出かけることを、吟行(ぎんこう)と言います。複数人でいく吟行会では、出かけた先で歌会を開く事もあります。

    【題詠】短歌を詠むにあたって、お題を決めてから短歌を創る事を題詠といいます。短歌の技術向上に役立つ方法です。

    【歌合】歌合(うたあわせ)とは、判者が2つの組に分かれた短歌を1首ずつ優劣をつけていき、勝ち負けを決める遊びです。

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    □5. 文芸館 短歌作品集 □
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    文芸館にこれまでに掲載された短歌をすべて紹介します。
    https://bungeikan.heimnohiroba.com/category/tanka/

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    □6. ぶらり中野島歴史散歩 □
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    【石灰石列車】
    「南武線いまむかし」の記事で、南武線が砂利輸送のための鉄道として始まり後に石灰石輸送へと変化したことを述べました。その石灰石輸送について密接な関係があった青梅線とのつながりについての追加情報です。

    「青梅線 石より人が 安く見え」
    これはその昔、青梅線沿線で詠まれた川柳だそうです。砂利輸送が主目的で建設されたのが旧多摩川砂利鉄道(現南武線)であったなら、青梅線は、石灰石輸送が主目的で建設されたものでした。その辺の事情を表した名句かもしれません。
    続きはこちらで↓
    https://heimnohiroba.com/special/wagamachi/sekkaiseki-ressha/

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    □■ 編集後記 ■□
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    門外漢の私でも短歌といえば思い出す、一世を風靡した歌人・俵万智さんのベストセラー「サラダ記念日」があります。その中に、こんな歌がありました。
    “「この味がいいね」と君が言ったから 七月六日は サラダ記念日”
    この歌は、若い夫婦もしくは恋人同士の仄かな愛がよく表されているようで大好きです。

    この歌をもじった知人の作にこんなものがあります。映画館の切符売り場で、1800円を出して「大人一枚!」と言った時のことをこう読みました。

    “「1100円で結構です」と君が言ったから、今日は私の古希の記念日”
    自分ではいつまでも若いと思っていても、世間は認めてくれないということでしょうか。

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    発行元:ハイムのひろばをつくる会
    発行責任者:”八咫烏”こと 西 敏
    メール : mag@heimnohiroba.com
    HP :https://heimnohiroba.com/
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    発行システム:『まぐまぐ!』
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    配信中止は
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