ハイム・ウィークリー 第11号

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ハイムウィークリー11号 2020-1-24
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☆春節特集~「陰暦もいいな!」号
ハイム・ウィークリーは中野島発の
週刊メールマガジンです。
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■□ーーーーもくじーーーーー■□
〇 編集長の独り言
1. 春節(旧正月)とは?
2. 中国の十二支
3. 行事・飾り・団らん飯
4. 習俗: 紅包・食べ物・下着
5. 倒福の意味
6. ぶらり中野島歴史散歩(4)
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詳細はこちら↓
https://heimnohiroba.com/mag20200124/

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□■ 編集長の独り言 ■□
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今年は暖冬と言われていましたが、1/18には初雪も降り2日間ほど寒い日が続きました。我が家では丁度この初雪の日にエアコンが壊れ、急遽修理をお願いするというトラブルがありました。
さて、丁度今日が今年の春節(旧正月)の大晦日にあたります。日本人にとってのお正月は1月1日であり、もはや旧正月は日常生活にはあまり関係がないように思いますが、陰暦に基づく節句などがまだ多くの暦に記載されていますよね。
そこで今回は、中国の文化的背景のひとつとしての春節(旧正月)について、少しだけおさらいをしてみようと思います。

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□1. 春節(旧正月)とは?   □
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春節とは中国のお正月で4000年以上もの歴史がある祝い事であり、全世界の華人にとって最も大切な伝統的な祝日です。
春節は国民の祝日で多くの人は一週間の連休になります。春節が近づくと人々は年越し用品を買い、大晦日には家族みんなそろって夕食をいただきます。
そして吉祥とおめでたい気分を表す絵や対聯(「ついれん」といい、おめでたい言葉を赤い紙に書き、門や入り口の框に貼るもので新年を祝い邪気を払うもの)を掛けたり、生き生きとした植物で部屋を飾ったりして新しい年を迎えます。
餃子と餅など、盛りだくさんな食べ物が食卓に並びます。街の至る所が飾り付けされ、爆竹が鳴り、互いに新年の挨拶を交わし、龍と獅の踊りや縁日が行われます。

春節は旧暦のため、毎年日付が変わります。1月21日から2月20日の間のある1日になります。2020年の春節は1月25日(土)です。
休み期間は、法律上は1月25日~27日の3日間だけが休日ですが、一般的には、1月24日(大晦日)から1月30日(木)までの1週間で中国で最も長い連休となります。

尚、1911年の辛亥革命後、翌1912年の中華民国の成立時に太陽暦が正式に採用され、元旦は新暦の1月1日へ移動し、旧暦1月1日は「春節」とされ現在に至っています。
https://heimnohiroba.com/mag-shunsetsu/

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□2. 中国の十二支 □
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中国の旧暦は中国の十二支に基づいています。中国の十二支には、ねずみ、牛、虎、うさぎ、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪(豚)の12種類の動物がいます。それぞれの動物は12年のサイクルで循環していて、春節の旧暦1月1日から新しく始まります。今年2020年は鼠年です。日本の干支はこれに基づいているので同じですね。
https://heimnohiroba.com/mag/junishi-china/

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□3. 行事・飾り・団らん飯   □
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春節には多くの文化的な行事が行われます。地方や小さな町では今でも爆竹を鳴らしたり龍の舞で道路を練り歩くといった習慣が残っています。

道路や建物、家のあちらこちらを赤で飾ります。「赤」は春節のメインカラーでおめでたい色でもあります。赤い提灯を道路へ掲げ、入り口には赤い対句を飾ります。銀行や公共機関ではお金に恵まれるような新年の様子が描かれた写真が飾りつけられます。

春節は家庭団らんの日ともいえます。ふるさとを離れ都会で暮らしている人も、お正月には実家に帰って家族団らんを楽しみます。大晦日の夕飯は“団らん飯”と呼ばれ、一年中にもっとも重要な夕食となります。
https://heimnohiroba.com/mag-gyouji/

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□4. 習俗: 紅包・食べ物・下着 □
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春節に最も一般的な贈り物は「紅包」と呼ばれるお年玉です。春節の時に目上の人から目下の者や子どもに赤い紙でお金を包んであげます。幸運の象徴として重要な意味をもっています。そして子どもや(定年後の)年配の人へ贈られます。残念ながら(働いている)大人はもらえません。
春節に食べる食べ物は、食べ物の名前や形によって象徴的な意味があります。魚は中国語の「魚」の発音「Yu」と「余る」の発音が同じということから春節には欠かせません。魚を食べることで翌年にお金と幸運が余分に舞い込むと言われています。
また春節に食べるものに餃子があります。餃子の形が銀塊の形に似ているからです。餃子を食べることで裕福な年になるようにとの思いか込められています。その他、春巻きや餅、餡入り団子などがあります。

中国では春節を一年の始まりとし、この時期にすることがこの一年が幸運であるか否かを左右すると考えます。そのため多くのタブーとされることがあります。それは春節の一ヶ月前から春節後の元宵節(元旦から15日目)まで続きます。田舎の地方では年配者によって今でもきちんと行われていますが、都会の特に若い世代の人には知られていないかもしれません。
旧暦の1日から3日間は幸運を逃してしまうので髪の毛を洗ってはいけないとの習俗があります。子どもの泣き声は不幸を呼ぶとされ、若い人たちはよく子どもの面倒をみます。お金を借りることは厳禁です。
おもしろいことに春節には赤い下着を身につけます。赤い下着はスーパーや路上の露店で売られています。赤は不幸や災難を防ぐとされます。ねずみ年生まれ(1924、1936、1948、1960、1972、1984、1996、2008、2020年)の人は今年、赤い下着が必須です。
https://heimnohiroba.com/mag-shuzoku/

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□5. 倒福の意味 □
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倒福の習慣に関しては明の洪武帝の皇后であった馬皇后の伝承があります。

とある春節に際し洪武帝はお忍びで市井を散策した際にとある人物の描いた年画(春節用の縁起ものを描いた絵)を目にした。そこには豊作を願って西瓜を抱えた女性が描かれていたが纏足をしていなかった。洪武帝は「懐西(西瓜を抱える=淮西と音通)の婦人の足が太い」という画題が、淮西出身の馬皇后が民間の出身で纏足をしておらず気品に欠けると嘲笑したものと考え、年画を描いた者を処罰しようとした。

宮廷に戻った洪武帝は年画を描いた人物を調べさせ、無関係な者の家には「福」の文字を書いた紙を貼るように命じ、翌朝「福」の表示がない家の者を処刑しようとした。馬皇后はこの計画を知ると、無実の罪で処罰される民衆に同情し、明け方までに全ての家に対し「福」の表示を貼ることを命じた。

馬皇后の命により翌朝城内の家中に「福」の文字が貼ってあり、洪武帝の命を受けた士兵はどの家の者を処罰するか分からなくなっていた。しかしその中の一軒が文字を知らなかったために「福」の文字を逆さまに貼ってあることを発見し洪武帝に報告した。

洪武帝は福を倒して貼るということは民衆の生活が苦しいことを皮肉った行為であると激怒しその家の者を斬首するように命じた。またしても夫である洪武帝により無実の民に危害が及ぶことを恐れた馬皇后は機転を働かせ、その家の者は洪武帝の使者が訪問することを知って故意に福を逆さに貼って「福が到る」を表現したと洪武帝を説得し、無辜の民衆に危害が及ぶことなく済んだというものである。

それ以降、善良な馬皇后を顕彰し、除夕(大晦日)に民衆は門上に「福」の文字を大書した赤紙を逆さに貼り、一家が平安であることを願ったと言われている。

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□6.ぶらり中野島歴史散歩(4)□
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前回の「住居表示の変遷」はいかがだったでしょうか?私たちの住む中野島の住所表示がこんなに何回も変わっていたかと、歴史を感じる内容で面白かったという感想をいただきました、今回は多摩川の砂利採取の歴史についてです。
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「多摩川の砂利」
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我々が日々利用している南武線の前身が、意外なことに、多摩川の砂利を運搬するために敷設された「多摩川砂利鉄道」だったということから、砂利採取の歴史について調べてみました。すると、これまで知らなかった面白いこともいろいろわかってきました。江戸時代からの砂利採取の歴史を探ります。詳しくはこちらをご覧ください。↓
https://heimnohiroba.com/tama-jari/

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□■ 編集後記 ■□
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今回は、たまたま今日が大晦日にあたる”春節(旧正月)”を特集しました。太陽暦の採用後、お正月は1月1日と世界共通になりましたが、華人にとっては春節(旧正月)として根強く残っています。日本でも陰暦に基づく月の名前(睦月・如月・弥生・・・)にはそれぞれ意味があり、文化的価値から言っても失いたくない、いつまでも残したいと思うのは私だけでしょうか?
尚、次号は通常通り、ハイムのひろばについての話題に戻る予定です。

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発行元:ハイムのひろばをつくる会
発行責任者:”八咫烏”こと 西 敏
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