福井におけるオリーブ栽培について(4-四期報:10-12月)

福井におけるオリーブ栽培について(4-四期報:10-12月) 洲浜三郎

1. 協同作業:グリーンオリーブの収穫と新漬け≪カラースケール①~③使用≫

グリーンオリーブの果実は酸化するのが早いので、産地でも生では販売されていません。またそのままでは渋くて食べられません。

然しイベント等では入手して個人で加工することも出来ますので、ここでは苛性ソーダで渋抜きをしてから新漬けを作る要領について説明します。

  • 先ずグリーンオリーブの実を選別して水洗いをして、1㎏を計量する。
  • 容器にオリーブと同量の水1ℓを入れ、これに苛性ソーダ20gを入れて菜箸でかき混ぜる。苛性ソーダは水と反応して熱を持つので、反応が治まるまで其の儘にする。
  • 3~6時間、熱が下がったらオリーブを静かに入れる。溶液が飛び散ったり手に付いたりしないように注意する。オリーブが浮き上がって酸化しないように落し蓋をしてこのまま8時間置く。
  • 渋みが抜けてくると、溶液は赤黒く濁って来る。苛性ソーダを抜くために、朝昼晩1日3回、3日間、水替えを繰り返す。オリーブが空気に触れると変色するため、ホースで容器の底に水を入れて、水を溢れさせながら水を替えていく。
  • 水が濁らなくなったら、苛性ソーダが抜けた証拠です。次の行程に移る。
  • 最初に塩分濃度1%の塩水に漬け、次の日に2%の塩水に漬け替える。3日目に3%の塩水に漬け替えて、次の日から食べられる。長期保存なら塩水濃度を上げて塩漬する。
  • 注意;苛性ソーダは薬事法で劇物に指定されています。使用する時は皮膚に付かないように取り扱いには細心の注意が必要です。また新漬けの要領について事前の勉強を薦めます。

 

2. 完熟オリーブのオイル漬け(ブラックオリーブ)≪カラースケール⑥~⑦使用≫

完熟した実を収穫して塩漬けした後、エキストラバージンオイルに漬けたものです。渋みが少なく深い味わいです。ピザやパスタ、カクテル、サラダなどのトッピングにもおすすめです。

準備するもの

  • ブラックオリーブの実、天然塩、エキストラバージンオイル
  • オリーブの種抜き器(サクランボの種抜き器)、ガラス瓶

作り方

  1. ブラックオリーブは種を抜き、水洗いをしてアクを流す。
  2. 水抜きしたオリーブを笊に入れ、塩を全体にまぶす。
  3. 1週間経ったら、オリーブの塩を水で洗い流し水分をふき取る。
  4. 煮沸消毒した保存瓶にブラックオリーブを口まで入れ、オリーブオイルを口まで注ぎ、ふたを閉める。
  5. 冷蔵庫に保管して、10日~2週間から食べられる。

【一休み4:安全に家庭で出来る新漬け】

最近、鉢植えやこれを庭先に移植して栽培している方も多いので、時間はかかるが重層を使って家庭で安全に作れて、1ヵ月後から食べられる方法を紹介します。

準備するもの

  • グリーンオリーブの実、食用の重曹、塩
  • オリーブの種抜き器(サクランボの種抜き器)、ガラス瓶

作り方

  1. ガラス瓶に水を入れます。
  2. グリーンオリーブの種を抜きます。(渋を早く抜くためです)
  3. 種を抜いた実をそのままガラス瓶の水の中に落とします。(空気に触れると茶色に変色するためですが、変色しても味は変わりません)
  4. 3%の重曹水になるように重曹を混ぜます。
  5. 1日1回重曹水を取り替えます。(取り替える前に実を攪拌します。実は外に出さずホースで水を底から入れて溢れさせ、真水にしてから重曹を入れます)好みの渋の濃さになったら1%の塩水に漬けます。
  6. 1日に1%ずつ濃い塩水に取り替えます。
  7. 好みの濃度の塩水になったら完成です。山田オリーブ園で販売している塩漬けは4%の塩水にしているようです。2か月以内に食べます。
  8. 塩分濃度が低いと早く痛みます。また冷蔵庫に保管し2カ月以内に食べます。

 

次回は、収穫祭の開催状況について紹介したいと思っています。

 

 

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