ボクのロンドン滞在記~シン日英同盟めざして~ (その9) 歓送迎会が開かれる

(前回まで)出向先の大学は優秀なリケジョぞろいです。本来、勤務開始までに準備されるはずだったIDカードがまだ発行されず、英国独特の不便にも遭遇する筆者です・・・・
 
6月29日水曜 朝小雨 昼から晴れ
 
ようやくIDカードが発行されました。
総務の女性と玄関で待ち合わせました。そこではもう1人、IDカード発行をしてもらうというフランス、マルセイユ出身の若い男性も一緒になりました。
 
一緒にIDカードセンターに行ったところ、ボクのIDカードは発行され、フランス人の彼にはなんらかのトラブルで発行されませんでした。なるほど、そうそう簡単には手続きが進まないと言うことがよくわかりました。
 
IDカードがあると、オフィス入り口の機械にタッチして入退室ができ、学内のカフェで飲み物などの割引が受けられます。なんとなく一人前にあつかってもらえる身分になったようです。
 
午後から、会議室でジェイ君、エルちゃんと打合せを持ちました。
金曜日にチームメンバーとのワークショップが予定されています。ボクたち2人(Tちゃんと自分)からこれまでのリサーチ結果を報告することになっているのです。
 
そこで、ジェイ君とエルちゃんに報告内容を説明し、報告内容に了解をもらったり、ダメ出しを喰らったりします。
 
Tちゃんは今日が最終勤務日です。明日から1人で現地対応をしなければなりません。
 
こういうとき鈍感力を発揮するに越したことありません。特に海外では、細かいことを気にしない、物事に動じないという性格が役立つのです。
 
「何とかなるわ。この歳になって慌ててどうする」・・・。
 
16時半には、仕事をかたづけて、チームのみんなで学内のパブに移動します。
 
あれ、ほんとは17時までの勤務時間じゃなかったのかな・・・いや、そんなことは気にしないのがよいところ。
 
これは、Tちゃんの歓送会とボクの歓迎会なのです。
 
キャンパスを歩いて行くと、学内のパブがあります。
 
そこで、みんな好きな飲み物を注文します。
 
堅苦しいことはみじんもなく、お金も各自精算です。
 
ただしジェイ君がTちゃんとボクにビールをおごってくれました。いつかお返しをしなければ。
 
アットホームな雰囲気で、国籍も人種も性別も関係なく、楽しく仕事ができるのは最高です。
 
 
もちろん仕事を請け負っているのですから、責任をもって報告書を仕上げなければなりません。
 
でも、日本のノウハウや日本についての情報が求められ、たった1人の日本人が外国人の中に混じって仕事をするのは日本人冥利に尽きます。
 
歓談中に、発言する機会がありました。ボクは次のように話し始めました。
 
『みなさん、1902年、英国と日本は「日英同盟」、Anglo-Japan Alliance を結びました・・・』

みんなポカンとしています。

 
そうです、日本人ならだれでもが知っている「日英同盟」について、英国人はまったく知らないのです・・・。

(つづく)

 

風戸 俊城

ハイム在住。現役時代は中東、東南アジアの4か国に駐在し、40年勤務した後、現在は英国と日本を結ぶ知財プロモーターとして働く。経済・産業分野の翻訳業も手がける。

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