● 地面の蓋 19 大津(滋賀県)
今回は滋賀県の南西に位置する大津です
天智天皇が近江大津宮に遷都して以来、1350年以上の歴史を有する古都です
世界文化遺産の延暦寺、園城寺(三井寺)、日吉大社、石山寺をはじめ、
多くの文化財や史跡、名勝がある都市です
今回は駅周辺から琵琶湖にかけて歩いてみました
JR大津駅は高台にあり、下って行くと琵琶湖に出ます
そこは大津港です 大津は港町なのです
明治の中頃までは湖上水運の拠点として栄えていましたが、
鉄道網の整備に伴い斜陽となり、現在は遊覧船の発着拠点となっています
港の周辺は公園が整備されていて、散歩を楽しまれている方が多数おられました
びわこ花噴水という世界最大級の噴水があるそうですが、
今回は時間が合わず、見ることは出来ませんでした
地面の蓋はというと、琵琶湖の風景を描いたものがありました
なかなか面白い図柄です
この3枚の蓋ですが、微妙に違います
左は琵琶湖大橋の上に観覧車がありますが、真ん中は雲です
また、右側は大津市の下水道マスコット「ホール・まん蔵」です
左下の部分も違います
左側と真ん中は犬が描かれていますが、
右側は大津市のキャラクター「おおつ光ルくん」です
この観覧車が気になり、どこにあるのか調べてみました
びわ湖タワーという遊園地の「イーゴス108」という
観覧車だそうです
1992年に建てられ、完成時は108mという
世界一の高さを誇っていました
遊園地は2001年に閉園し、観覧車は解体されずに
残っていましたが、
2013年にベトナムのダナンに輸出され、現在は「Sun Wheel」と命名され、
第二の人生を歩んでいるそうです
カラー版の蓋もありました
真ん中下の四角部分のマークが左側は市政100周年の
シンボルマーク:OTSU 100が描かれています
犬(100周年記念イベントキャラクターもも(百)ちゃん)の
片手が赤くなっているのは、「ワン ハンド レッド」の洒落だそうです
大津は琵琶湖の主要港湾であるとともに、東海道五十三次中最大の宿場町でした(大津宿)
旧東海道沿いと思われるところには歴史的価値のある住宅も数多く見られます
軒先に不動明王のような像が飾られています
守り神なのでしょうか?
大津にはアーケードの商店街もあります
昭和20年後半から続く不況に対する打開策として、昭和30年に施工されたそうです
ちょっと閑散とした雰囲気はありますが、活性化させようとお店の方々が頑張っています
個人的には子供のころのアーケードが思い出され、感傷に浸っていました
ずっと残して欲しいものです
また、「大津まつり」
という京都祇園祭の風情を色濃く継承した祭礼があり、曳山が、街中を巡行します
終日コンチキチンの囃子と見事な「からくり」を演じながら市内を巡行するそうです
いずれも江戸時代に製作された華麗な曳山で、「動く文化財」の様相を呈しているようです
今度は、大津まつりに合わせて出かけてみたいと思います
ここで【面白豆知識】
「急がば回れ」の由来を御存じですか?
室町時代の連歌師・宗長の歌
「もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋」からきているそうです
(平安時代の歌人・源俊頼の歌という説もあります)
この歌は、江戸と京都を結んでいた五街道の一つ・東海道の途中にある
琵琶湖のことを詠んだ歌です
「もののふ」とは武士のことを指し、「矢橋の船」とは、
東海道五十三次草津宿(滋賀県草津市矢橋港)~大津宿(大津市石場港)を結んだ
湖上水運・矢橋の渡し船を意味します
京都へ向かうには、矢橋の渡し船を使って琵琶湖を横断したほうが近道だが、
琵琶湖西側にある標高848mの比叡山から吹き降ろす突風で
船が転覆する危険があるため、確実な移動方法を選ぶならば
瀬田の唐橋(長橋)を渡って大津に行くほうが良い
ということからこのことわざが生まれたそうです