新語・難語おもしろ解説~クーベルチュール

みなさん、バレンタインデーにはチョコレートを送ったり送られたりしましたでしょうか? この習慣の始まりが日本のチョコレート・メーカーによる仕掛けだったとしても、たったチョコレート1枚でドキドキしたりするのも悪くないことかもしれません。2月14日1日で1年分の売り上げの1割以上が売れるそうです。

さて、バレンタインデーとは関係がないのですが、先日たまたまラジオを聞いていて、クーベルチュール・チョコレートの格安販売があると聞いて思わず買ってしまいました。普段から販売されているものではなく所謂特売品で、割れて商品にならなかったものを集めて1㎏単位で特別販売するというものでした。

ところで、「クーベルチュール」ってどういう意味でしょうか?菓子作りをされる方はご存じでしょうが、そうでない人たちには聞き慣れないことばですよね。私は、食品原料関係の仕事をしていたので、チョコレート原料であるココアの産地や工場を訪問したこともあり、製造工程はある程度はわかります。ということで、今回の新語・難語は、「クーベルチュール」です。

「クーベルチュール・チョコレート」とは、主にお菓子作りに使われることが多いチョコレートです。「クーベルチュール(couverture)」とはフランス語で「カバー」という意味。キャンディーやケーキなどの表面を覆うためのチョコレートなので、この名前が付けられました。

クーベルチュール・チョコレートと板チョコとのいちばんの違いは、ズバリ口溶けです。口どけは脂肪分が十分に含まれていないと良くなりませんし、伸びが十分でないと菓子作りには使えないのです。。その成分は特に脂肪分について国際基準で厳しく決められていますが、市販の板チョコは、カカオバター以外の油脂も添加されているものも多く、さまざまな配合がなされているものがほとんどです。

クーベルチュール・チョコレートは、お菓子に混ぜ込めば濃厚な味わいを楽しむことができ、ガトーショコラやフォンダンショコラなど、しっかりとしたチョコレートの風味を全面に押し出したいお菓子には必須のものです。製菓用とはいえ、もちろんそのままでも食べることができます。脂肪分が多く、余計な添加物が入っていないものが多いので、素朴な味わいのチョコレートを楽しみたい方には特におすすめです。

クーベルチュールチョコレートは、ほかのチョコレートと同様に暑さには弱い食品です。溶けてしまうとファットブルームという現象が起き、せっかくの風味が落ちてしまいます。

開封前ならば室内での保管はOKです。ただし、直射日光や高温、多湿になるような場所は避けるのがベター。開封してしまったら冷蔵庫で保管し、なるべく早めに使い切ったほうがいいでしょう。また、夏場は開封前でも冷蔵庫で保管するのがおすすめです。上手に保管して、おいしくいただきましょう。

何となく高級感のあるものと思っていましたが、改めて調べてみるといろいろあるのですね。

八咫烏

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