笑説「ハイムのひろば」33~土谷重美「私のふるさと絵画展」

ハイムには現在700所帯以上の住民が住んでいるが、みな全国のあちらこちらの出身のはずである。そこで、西野敏彦は、それぞれが生まれ育ったふるさとについて何か書いてもらおうと考えた。2022年春、ハイムのひろばの新しい企画として「私のふるさと」の記事を募集することにした。

西野のこの思いつきの原点は、実は鏡孝一郎の一言「ハイムは第二のふるさとでしょう?」にある。言われてみればその通り、生まれ育った故郷はいつまでも変わることなく(変わることもある?)存在するが、その後の人生で関りもっと長く住むことになる第二の故郷と言える処もあるはずである。

年を重ねていくうちに故郷の土地との関りは次第に少なくなっていく。親が元気でいるうちは帰省する機会も多く、懐かしい地元の人たちとの交流もそれなりに続くが、それも次第に薄れていくのが自然だ。自分の知っている人たちが年々減っていき、残るのは子供のころから見慣れた山や川、畑や田んぼ、いずれは自然だけとなってしまう。

そんな思いもあって西野は、故郷について何か書き残しておくのもいいだろうと考えた。好きなところ、嫌いなところ、故郷についての思いは人それぞれ、さまざまであろう。人は生まれる時、親を選ぶことが出来ないのと同様に、故郷を選ぶことも出来ないのだ。しかし、物心つくころに育ったふるとは心の何処かに居続けると思う。

さて、募集した記事の中に、司馬遼太郎を彷彿とさせるような見事な作品があった。土谷重美氏の「私のふるさと~奈良県五條市西吉野町」だ。内容は、文芸館の記事をじっくり読んでいただくとして、ここでは、その記事に添えられた自作の絵の数々について紹介したい。あまりに見事な出来栄えに圧倒された西野は、これらの作品をまとめて美術館で紹介したいと思った。

そうして出来上がったのが、土谷重美「私のふるさと絵画展」である。人里離れたまさに秘境ともいえる処で育った筆者であるが、林業や農業の一端を捉えたこれらの素朴で優しいタッチの絵の数々は見る人の心をとらえて離さない。高校に上がる前までそこで暮らした日々の様子を伺うことが出来る貴重な作品群である。何度見ても飽きない。

 

 

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