ギリシャ神話「みずがめ座」

「みずがめ座」の絵には、水瓶を持つ美少年が描かれています。この星座にも、ひと知れぬ物語がありました。第11回は「みずがめ座」です。
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最高神ゼウスと、その妻の女神ヘラは、たくさんの神々をオリュンポス山に招いて、毎日のように宴を開いていました。そこに欠かせないのが、飲むと不老不死になるという神の酒ネクタルです。神々は、ネクタルを飲みながら、世の中について語り合っているのです。

青春の女神ヘベは、水瓶に満たしたネクタルを神々についでまわるという役目をつとめていました。しかし、彼女は、死後に天に昇った英雄ヘラクレスとの結婚が決まったため、その役目からはずれることになりました。

ゼウスが地上を眺めながら、ヘベの代わりを探していると、黄金に輝く体を持つ美少年が目に留まりました。彼の名はガニメデス。トロイア国の王子でした。

ゼウスは、大鷲に化けて地上に降り、ガニメデスを捕まえて神の神殿へ連れ帰りました。ガニメデスは泣き叫びましたが、姿を現したゼウスからネクタルをつぐ役目を告げられると素直に応じました。ただ、彼は両親が悲しむに違いないと心配しました。

そこで、ゼウスは、伝令の神ヘルメスをトロイア国に派遣してガニメデスの無事を知らせ、神の宝物を贈りました。さらに、天に「みずがめ座」をつくり、いつでも地上からガニメデスの姿を見られるようにしました。

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