福井におけるオリーブ栽培 1-四半期報

福井におけるオリーブ栽培について(1-四半期報:1-3月)    洲浜三郎

1. 三里浜オリーブカルメリーナの圃場の状況
自治会を持つ3つの集落が、2018年から協同で栽培活動を実施しています。
オリーブ栽培の圃場が工業団地と農地を分かつグリーンベルトに沿って4か所ありますが、その中の旗艦圃場(約600本植樹)で行われた昨年秋のイベントの状況を、ドローンで空撮した画像で圃場の全容を紹介します。オリーブの樹は、植樹して未だ3年経たない幼い木々です。

 

2. 年間の栽培スケジュール
オリーブ栽培の年間の協同作業の計画を示します。本稿を通じて主な協同作業について説明しますが、概略の時期的な関係についてこのスケジュールを参考にして下さい。

 

3. 共同作業:雪囲い
北陸の冬季は、瀬戸内海に比べて気温が低く降雪もあるため、植えたオリーブの木々が小さい間は不織布を裁断して木に纏い、昨年11月末から今年2月末までの間雪囲いをしました。
今年は暖冬で、立春の時に少し雪が降った程度で済みましたが、2年前には豪雪に見舞われていますので当分の間は雪囲いが必要でしょう。2月末に雪囲いを外し、春の陽光を受けています。(樹々言う;今冬は囲いの中で汗を掻きましたよ。)

 

4. 共同作業:植樹(春植え)
年2回、春と秋にオリーブの植樹を行います。現在までに、福岡産、熊本産、宮津産(イタリア産輸入品)、小豆島産のオリーブの苗木を購入して植樹しています。今年2月から3月にかけて実施した春植えの状況を画像で紹介します。

5m間隔で苗木を植えます。先ず重機で穴を掘り、ショベルカーに乾燥堆肥を入れて運び、堆肥と3種類の化学肥料を入れます。これを鍬で攪拌して埋め戻します。次の週に苗木を運び、此処に小穴を掘って苗を植えます。根元に注水した後に太い棒を立てて、苗木が風で倒れないように縄で縛ります。(人と重機の協働作業は、これからの生産活動には必須です。)

今年も植樹祭を予定していましたが、コロナウィルス対策で中止になりました。
秋の収穫祭での企画を楽しみにお待ちください。(3-四期報に掲載を予定しています。)

5. 共同作業:剪定講習と剪定作業
オリーブの樹形を整えるため2月末に、「小豆島オリーブ公園 地域振興アドバイザー」の部長(グリーンのウェア着用の方)を招聘し、オリーブの木の特性と成長を見据えた技術的な剪定の要領について指導を受けました(言うのは簡単だけど、奥は深いようだ)。剪定そのものは枝を切った後では遣り直しがきかなないので、この後、個癖が出ないように3名一組になって、本格的な剪定を初めて実施しました。(この先どの様に成長するのか、聊か責任を感じました。)

【一休み1:オリーブ栽培の歴史】
オリーブは、紀元前5千年前後から栽培されていたとされています。現在は全世界で330万トン以上栽培されていますが、主産地は地中海沿岸のスペイン、イタリア、ギリシャ等で、スペインが全世界の半数前後を生産しています。量は少ないが、ワインの栽培環境と類似するアメリカやオーストラリアでも、品質の良いオリーブオイルが生産されています。
日本は、1908年(明治41年)に魚の油漬け加工に必要なオリーブオイルの自給を図るために、アメリカから輸入した苗木を三重県、鹿児島、香川県に夫々試験的に植樹しました。この内、香川県の小豆島に植えた苗木だけが順調に育ち、大正時代には搾油できる程の実が収穫されました。近年は、熊本県がオリーブの栽培と特産品化に熱心に取り組んでいます。
日本の総消費量は、約5万トンですが、その中で国産品は僅か40トン(総消費量の0.1%未満)で、殆ど輸入に頼っています。然し、国産品は品質が良く高価格で取引されています。

次回は、「三里浜オリーブ生産組合」の概要について紹介する予定です。

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