デカップリング

「デカップリング」という用語は最近よく耳にするかもしれません。これは、2国間が経済的に独立し、互いに影響を及ぼさない状態を指します。特に米中間での対立が進む中、このデカップリングの議論が注目を浴びています。

新型コロナウイルスの危機は、米中間のデカップリングの「予行演習」とも言える状況を生み出しました。感染拡大により、国際的な移動が制限され、サプライチェーンが寸断。こうした状況は、中国経済が世界経済から切り離される可能性を示唆しています。

しかし、国際政治学者のイアン・ブレマー氏は、新型コロナ後、米中関係はさらに緊迫すると予測。米国が中国だけでなく、他国とも経済的な対立を増していく可能性があります。これは、特に日本企業にとっても大きな影響を及ぼすでしょう。その中で日本が担う役割として、通信やIoTなどの技術の国際標準化でのリーダーシップが期待されています。

しかし、米中の経済的な「デカップリング」は本当に進行中なのでしょうか?一部の専門家たちは、米中の経済的な連携は実際には強まっていると指摘。例えば、米投資運用大手が中国の企業の上場を支援するなど、深い経済的つながりが続いています。さらに、米国と中国の相互依存度は高く、一部の識者は「デカップリングはすでに手遅れ」との見解を示しています。

ドイツとロシアの関係も、デカップリングの難しさを示す例です。政治的には緊張が高まっているものの、経済的な連携は続いており、多くのドイツ企業がロシア市場で活動しています。

結論として、現代の国際経済において、完全なデカップリングは難しいと言えるでしょう。政治的な摩擦や新型コロナの影響があっても、経済的なつながりは続く可能性が高いです。これからの国際経済の動向に注目が集まります。

 

 

参考文献:日経ビジネス

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