フードマイレージ

フードマイレージとは、食品生産・加工・運搬・保管・調理・廃棄などの全ての工程で発生したCO2排出量の総量を示す指標である。つまり、私たちが食べ物を食べるために必要なプロセス全体の環境負荷を測るためのものだ。

例えば、日本で食べられるトマトの大半はイタリアから輸入されている。この場合、トマトを運ぶ船の排気ガスやトラックの排気ガス、冷蔵庫などの冷却に必要な電気、スーパーマーケットでの販売や調理に必要なエネルギーなどがすべて加算され、最終的なフードマイレージが計算される。

また、産地が近く、農薬や化学肥料を使用せずに育てられた野菜を食べると、フードマイレージが低くなると考えられる。さらに、オーガニックやフェアトレードの製品を選ぶことも、フードマイレージを低減する方法の1つとなる。

フードマイレージの概念は、食料生産における環境負荷を考慮することが重要であることを示している。私たちが日常的に選ぶ食品がどのようなプロセスを通じて生産されているのかを知ることで、より環境に配慮したからだと地球に優しい食生活を送ることができるだろう。

フードマイレージの単位は一般的に「kg CO2e/kg」(カーボンフットプリントと同じ単位)と表される。この単位は、1kgの食品を生産するために発生したCO2排出量の総量を示している。例えば、1kgのトマトのフードマイレージが2.5kg CO2e/kgであれば、そのトマトを生産するために2.5kgのCO2排出があったことを表す。

具体的な例を挙げると、例えば、以下のようになる。

・トマトを栽培し、収穫、運搬、加工などで製品化した場合、そのトマト1kgのフードマイレージは約2.5kg CO2e/kg程度になるとされている。
・ビーフ(牛肉)の場合、育てた牛に与える飼料や飼育期間、出荷に必要な運搬、スーパーでの販売までの過程で多くのCO2が排出されるため、フードマイレージは1kgあたり20kg CO2e/kg以上もある。また、カナダやアイルランドなどのように牛肉の生産が盛んな国では、トラックや船で運搬するため更にCO2排出量が増えるため、さらに高いフードマイレージになる。
・季節が変わるにつれて違う国で育てられた果物や野菜を輸入する場合、運搬中に発生するCO2の量が多くなるため、フードマイレージが高くなる傾向がある。例えば、オーストラリアで栽培したブルーベリーを日本に輸入する場合、1kgあたりで約3kg CO2e/kg程度、ニュージーランド産のカリフラワーを同様に輸入する場合は約2kg CO2e/kg程度のフードマイレージが発生する。

以上のように、フードマイレージは食品の生産・加工・運搬・消費に関する全てのプロセスで発生したCO2排出量の総量を示す指標で、単位は通常「kg CO2e/kg」と表される。

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