いよいよクリスマス・シーズンですね・・・。ということで、ひとつ珍しいお話を。
オランダにはほんとに年2回クリスマスがあるの? そう、あるんです。
世界中で一般的にクリスマスと言えば、キリストの誕生日を祝う12月25日です。しかし、ここオランダではさらにもう一つ祝うべきクリスマスがあるのです。それは、12月5日のシント・ニコラース祭。
昔、小アジアにニコラ―スという人がいて、死後聖人に列せられた彼の徳を偲んで彼の命日を祝うようになったものです。オランダでは12月25日よりもずっとこのシント・ニコラース祭が重要なのです。特に、子供たちはこの日にシンタクラース(これはオランダでの呼称で、在オランダの日本人は、親しみを込めて「シントさん」と呼んでいます。)からお菓子やいろんなプレゼントがもらえるのです。したがって、オランダの子供達には25日には何のプレゼントもありません。ジングルベルもほとんど聞こえず、町も静かなもので、オランダのクリスマス商戦というのも10月末から12月上旬です。
ここからは、シントさんで呼びます。このシントさん、実は毎年11月中旬、何と蒸気船に乗ってスペインからオランダまでやってくるのです。シントさんは白い長いひげが特徴で、真っ赤なきらびやかな法衣と冠をかぶり、白馬に乗って、街々を回ります。その時、大きな袋(プレゼントが入っている)を持ったズワルト・ピートという黒い人を何人もお供に連れています。
現在のサンタクロースと比べると面白いですよ。両者の共通点もあり、少し違う点もあり。学問的にクリスマスの起源についてはいろいろ難しい話になりますが、少なくとも現在のクリスマスの主役サンタクロースの原型はどうもこのシンタクラースにあるように思えます。新天地アメリカに渡りニューアムステルダム(今のニューヨーク)で暮らしたオランダ移民たちの原シンタクラース像にいろんな人種の考えが混ざり合った結果、現在我々が知っているサンタクロースに変わっていったと考えられます。
ともかく、この時期になると子供たちは早くシントさんにプレゼントを持ってきてもらいたくて、夜寝る前に家の前に、干し草、ニンジンそれに水を用意します。角砂糖もかな・・・。これらは、シントさんが乗る馬に用意したもの。まさに、将を射んと欲せば、まず馬を射よ、です。さらに、早く来てもらえるように、「シントさんの歌」というのも大真面目で歌います。確かわが娘も、それらしいオランダ語で歌っています。
ただ、子供たちにも怖いことがあり、もしいい子にしていればプレゼントをもらえるが、もしそうでなければズワルト・ピートが持っている大きな袋に入れられてスペインまで連れていかれるのです。ここには現在のサンタクロースにはない教育的指導というものが見られます。親は子供に対して「おー、怖いですね、怖いですね。いい子にしてましょうね・・・。」
(Henk)

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