ブックレビュー『大学教授こそこそ日記』

「大学の先生はどんなことを考えているのだろう?」との疑問から『大学教授こそこそ日記』を読んでみた。やはり、私の知らない世界が広がっていた。

  • 大学教授になるための資格はない。ただし、現在は博士号をもっているのが普通。
  • 大学教授になるには、「コネ」と「公募」の2つのルートがある。少子化が進んでいて大学の数が減りつつあるため、「公募」の倍率は100倍を超えることも珍しくない。
  • 給与は、大学によって大きく差がある。高い順に大規模有名私大、有名国公立大、大都市私大、地方私大、大都市私立短大、地方小規模私立短大。実際にいくら給料がもらえるかは事前にはわからない。著者の地方短大専任講師時代の年収は、300万円。教授でも400万円強。
  • 大学では、教えるだけでなく、研究も重要な要素。私立に比べ国立大学の方が、講義の負担が少なく、研究に割ける時間が多く、研究費も潤沢。
  • 月に1度は教授会があり、短くて1時間、長いと8時間もかかることがある。
  • 大学入試の準備は、5月から始まり、担当決め、問題の作成・チェックと大変な労力がかかる。採点も短期間でやらねばならない重労働。しかし、入試は大学側にとっては重要な収入源。
  • 民間企業のようにわかりやすい出世ルートがない。職位があがるごとにポストが減るピラミッド構造ではないので、出世競争の勝者と敗者がはっきりせず、競争心も希薄。
  • どこの大学でも学生による教授の評価が実施さるようになった。しかし、評価の良し悪しと、給与はリンクしない。

民間企業のサラリーマンとは、ずいぶん違う世界のようだ。

 

HS

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