明るい弱虫ライターあつこ61のびくびく日記（37）10年前のカイロと「ポテンシャル」

寒いから、お腹にカイロを貼ろうと決めていた。
もちろん、じかにではなく、洋服の上から。

貼るタイプのカイロを探したのだが、ない。
買い忘れた。

思い出した。
買いすぎたカイロを
背が届かない高い棚にしまったことを。
踏み台登場。
あった！
それもけっこうたくさん。
40個くらい。

が、ここに問題が。

有効期限が2013年の4月なのだが。
10年前。
どれだけ取っておいた？

背に腹は替えられない。
貼ってしまえ。

おお、熱すぎるくらい。
大丈夫。
雪がちらちらと降る中を会社に歩いて出勤。

仕事をしていても、お腹から暖かいから、快適。
カイロの有効期限なんて
あってないようなものなんだなぁ。

ーーーーー
お昼ご飯の時間。
ぬるくなってきた。
まあ、あつすぎるのも体に良くないし
ちょうどいい。

雪はだんだんみぞれに。
そして退社する17時過ぎには雨になった。
さすがに今日は残業しない。

シャーベット状の雪がなんとも歩きにくい。
ゴアテックスの靴を履いてきてよかった。

あれ？
あれれ？

お腹があったかくない。

カイロに触ると
もうすっかり冷たくなって硬くなっていた。

朝8時、ちょっと前にお腹に貼って
12時にぬるく
17時にはもう冷たくなってしまった。

袋の説明を見ると
●最高温度68度
●平均温度53度
●持続時間12時間

ううーん、
12時間持たなかった。
実質は6時間ぐらい。

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理科系夫登場。

理科系夫「カイロは何で暖かくなると思う？」

あつこ「知らない」

理科系夫「鉄が酸化するときの熱なんだよ。
鉄がさびる時に熱を出す。
袋から出して酸素に触れると発熱する」

あつこ「ふーん」
（だから何？）←ココロの声

理科系夫「ポテンシャルって知ってる？」

あつこ「ええと、潜在的な能力のことでしょう。ポテンシャルが高いとか低いとか」

理科系夫「もう一つ意味があるんだよ」

あつこ「？？」

理科系夫「鉄の玉を手に持って高く持ち上げたとする」

理科系夫「玉はそこにあるだけでは何もしないけど。
手を離すと地面に落ちてきて、床に穴を開けたりする。これがエネルギー」

あつこ（…だから何？）←ココロの声、2回目

理科系夫「これは物理的なポテンシャルだけど。
カイロは化学的なポテンシャルだ。
高いところから落ちる球がエネルギーを持つように
カイロを袋から出して、酸素と触れ合うことで、発熱のエネルギーが生まれる」

あつこ（…だから何？）←ココロの声3回目

理科系夫「このカイロの袋にも
見えない細かな穴があって、
10年の間に
少しずつ空気が侵入していたんだろう」

あつこ「だから何？」←とうとう声に出る

理科系夫「カイロのポテンシャルが下がっていた、ということ」

あつこ「はあああ。
カイロのポテンシャルが下がっていたから、あたたかい時間が短くなった、と言いたいんですね」

理科系夫「そう」（満足そうだ）

あつこ（うううあ）

理科系夫「何か元気ないね。
ポテンシャル低いんじゃない？」

あつこ「はあ？」

理科系夫「あ、高くなった！」

あつこ　（ムスッ）←ふくれっ面

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10年過ぎてしまったカイロも
時間は短くなるが使える。
うん、あと38個あるし
この冬の間に便利に使おう！
（ポテンシャル高く）