春の星座～ケンタウルス座

好奇心旺盛なポロス
上半身が人間で下半身が馬という姿のケンタウルス族に、ポロスという男がいました。ポロスは、ぶどう酒の神ディオニュソスと義理の兄弟で、しばしば、極上の酒を分けてもらっていました。この酒は、ケンタウルス族の仲間と分け合って大切に飲まれていました。

ある日、ポロスは、冒険に向かう途中の英雄ヘラクレスと出会い、すぐに仲良くなって一緒に食事を始めました。

食事のさなか、酒が飲みたくなったヘラクレスは、ケンタウルス族が大切にしているディオニュソスの酒を勝手に飲み始めてしまいました。ケンタウルスたちは激怒して詰め寄りましたが、酒に酔ったヘラクレスも怒り、ヒュドラの毒がついた矢を放って追い払いはじめました。

毒矢がささったケンタウルス族は、ばたばたと倒れて即死しました。その毒の力に興味を持ったポロスは、仲間の死体から毒矢を抜いてしげしげとながめました。その時不注意から自分の足を矢で傷つけ死んでしまいました。

正気に戻ったヘラクレスは、ポロスの死を悼んで手厚く葬りました。それを見ていたゼウスは、ポロスを天に上げて「ケンタウルス座」としました。