新語・難語おもしろ解説~「オリガルヒ」とは?
オリガルヒとは、ロシアやウクライナ等旧ソ連諸国の資本主義化(主に国有企業の民営化)の過程で形成された政治的影響力を有する新興財閥のことである。少人数での支配、寡頭制を意味するギリシャ語 ὀλιγάρχης (oligárkhēs、英語:Oligarchy) にちなむ。
そもそもオリガルヒ (Олигархи) という単語は、ギリシャ語で「少数者」(olígos) および「支配」(arkhê) を組み合わせた oligarkhês に起源をもつ一般名詞だ。
英語読みだと「オリガーキー」で、通常は「寡頭制」(かとうせい)と訳される。特定の少数グループが、政治的権力の全てあるいは大半を掌握している体制を意味する。元来は「アナーキー」(無政府状態)や「モナーキー」(王制)などと同様、特定の政治体制を表しており、「ポリアーキー」(多頭制)と対比して理解される。
ただし、この単語がロシア語読みされる場合、これに加えて特定の意味を持つ。すなわち、ソ連崩壊後の経済自由化に乗じて勃興した新興財閥が、寡頭制を行う者、すなわち「オリガルヒ」と呼ばれている。
オリガルヒの影響力はロシアを中心に、ベラルーシやウクライナの政界・経済界にまで及んでいる。比較的著名なオリガルヒには、世界最大の天然ガス企業のガスプロム経営者アレクセイ・ミレルや、ロシア国内の大手SNS、VKontakte の所有者アリシェル・ウスマノフらがいる。
オリガルヒはロシアの政界・経済界を支配するフィクサーのイメージで語られることがあり、媒体によっては「政商」と訳されていることもある。ただし、彼らは必ずしも政府と一枚岩とは言えず、ロシア経済の発展における彼らの役割には功罪の両面が指摘されている。