新語・難語おもしろ解説「トリアージとは?」

最近「トリアージ」という言葉をよく聞くようになった。トリアージ(英語: triage、フランス語: triage)とは、一般的には、重要で最初に扱うべき者を選別、決定することを言う。災害の現場などで患者の重症度に基づいて、医療・治療の優先度を決定して選別を行うことである。

コロナ禍で緊急事態宣言が出ている現在、盛んに使われているのは、感染者の急激な増加による病床不足など医療体制全般に問題が生じるのではないかと、まさにトリアージ状態が懸念されている。

トリアージの必要性

限られた医療資源を最大限に活用しながら治療を行うため、医療機関等では、診療前にまずトリアージが行なわれる。災害時等の混乱の中で、トリアージを行わず通常と同じように受付け順で治療を行った場合、重症者が長時間放置されるということが出てくるし、また、最重症者から治療を始めた場合には、その治療だけで貴重な医療資源が使い尽くされてしまい、確実に救命可能なほかの重症者の治療ができなくなるといったことも考えられる。

こうした問題を解決するために、トリアージ(搬送優先順位、治療優先順位の決定)が必要となる。救命の可能性が非常に低い者よりも、可能性の高い者から順に救護、搬送、治療にあたるべきであるという考え方だ。

トリアージの区分 (傷病の緊急度に応じ、次の4段階に分類される。)
第一順位緊急治療群(重症群) 赤色(1) 生命の危機的状態で、直ちに治療しないと死に至る状態。
第二順位待機治療群(中等症群) 黄色(2) 2時間から3時間なら治療を遅らせても状態が悪化しない状態であり、静脈路を確保し厳重な監視下におく。
第三順位治療保留群(軽症群) 緑色(3) 最後に治療を行っても生命予後・機能予後に影響を及ぼさない状態であり、治療は他所に回すことが可能。
 
第四順位搬送適応外群  黒色(0) 治療を行っても生存の可能性のない状態。


トリアージは、「一人を助けて一人を見捨てる」ことになるため、簡単に決められるものではない。世界各国における歴史のなかでもいろいろな事情により変遷を遂げている。多くを解説するには紙面が足りないので、ここでは単純な言葉の意味だけに留めたいと思う。

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