明るい弱虫ライターあつこ61のびくびく日記(10)定年後の夫の育て方――理系のこだわり始まる

かんたんなあらすじ

「キャベツスライスの方法を教えたよ!それで?」

週2日?

9月7日日曜日

夫は私の顔を見るなり、おずおずとこういった。

「おはよう。やっぱりサラダはあつこが作るほうがおいしい」

これでほめているつもりなんだよね。きっと。
残念ながら、新婚時代ではないのだ。
あれから30年は経ってるの。

しかしここでけんかをすると、あとあと面倒だ。

それにせっかくの日曜の朝から争いもしたくなかった。

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ここでのキーワードは「仕事」だよね。夫が家、妻が外のこの状態だからこそ。

論理的に。理科系はこれに限る。

あつこ「私はこれからトイレ掃除と、掃除機をやるんだけど、あなたは何をするの?」

夫「それなりに忙しいんだよ。」

あつこ「何が」

夫「読書もしたいし。
一万歩、歩きたいし。
マインドフルネスもしなくちゃいけないし。」

あつこ「・・・・・・・。」(退職してまだ1週間だから仕方ない)

夫「英会話もやりたいし。
それから(今まで勤めていた)会社から問い合わせメールが来ていたからそれにも返信したいし。」

あつこ「わかった。
今日は日曜日だから、私はサラダを作る余裕はある。
だけど平日は8時ちょっと前に家を出なくちゃいけない。」

夫「それはわかっている。」

あつこ「じゃあ土日は私が作るから
平日は作ってくれる?」

夫「うーーーーーん。(沈黙20秒)
いきなり週5日はハードルが高いから、週2日ぐらいだったら」

あつこ「じゃあ、月曜日と水曜日はお願いしてもいい?」

夫「わかった。」

うおー。第一関門突破。

そこであつこは機嫌よく日曜の朝のサラダを作ったのだ。

9月8日月曜日
夫はキャベツだけのサラダを作った

9月9日火曜日
あつこがサラダを作った。時間はないが人参とトマトだけはのせた。

9月10日水曜日
夫はキャベツだけのサラダを作った

9月11日木曜日
あつこがキャベツとミニトマトだけのサラダを作った

・・・・・

というわけで、9月は夫が週に2日はキャベツサラダを作るというルーチンが確定した。

理系の「ルーチン」は長続きする(と、あつこは30年間の中で観察している)

キャベツだけのサラダとはいえ週2回は作るようになった。

逆転現象

ここで問題が起きる。

あつこの仕事が忙しくなったのだ。
残業して帰るときもある。
正社員でないにもかかわらず、翌日の仕事の手順を考えている時もある。

そうすると翌日の朝は時間がなくてあわあわする。
(寝坊しない程度にギリギリまで寝ているため)

そう、あつこは気分屋で適当なのだ。

料理もレシピ通り作ったことなんてほとんどない。
途中から適当なアレンジが入ってしまう。調味料もけっこう適当。

お夕飯の献立も
・ガーリックシュリンプ・・・のようなもの
・ゴーヤチャンプル・・・・のようなもの

という「・・・のようなもの」が並んでしまう。

味見もしないので食べてみるまでどんなものかわからない。

ある意味そんなあつこの料理を「美味しい」と言ってくれる夫は貴重なのかも。
その点は感謝だ。
(単純に自分がほとんど料理ができない、という要因もあるが)

話が横にそれたが、
簡単に言うと、朝に手の込んだサラダを作る時間が無くなってしまったのだ。

あつこはどうしたか。

忙しい朝にサラダを作らなくなった。
ご飯にお味噌汁に納豆にしらすぐらいの非常にシンプルな和食になった。
まあ、二人暮らしだしそれでいいよね。(勝手に納得)

ご飯はまとめて炊いて冷凍。食べるたびに解凍。
お味噌汁もまとめて作って冷蔵庫に入れておく(三日間ぐらい同じものを食べる)
焼き魚があれば豪華版。

あつこの手抜きは快進撃だ。

夫のサラダのある月曜と水曜が貴重になりつつあった。
素晴らしい逆転現象が起きたのだ。

ブロッコリーに目覚める

そんなある日、結婚している長女が夫とともに買い物に行く機会があった。

長女は何気なくスーパーマーケットで「サラダに入れる」ためにブロッコリーを買った。
それを見ていた夫は、つられて自分もブロッコリーを購入。

次の日は火曜日だった。サラダはない曜日。
なぜか朝食にキャベツとブロッコリーのサラダが。

あつこ「これどうしたの?」(不思議な気持ちでいっぱい)

夫「昨日、A(長女)と買い物に行ってブロッコリーを買った」

あつこ「へえー。」

夫「家に帰ってきてから、パソコンで検索してその通りにゆでてみた。
なんだかんだで50分ぐらいかかった」

どうやらブロッコリーの切り分け方から分からなかったらしい。
一株まるごとゆでなかっただけほめてあげたい。

夫「塩ゆでする時、塩適量と書いてあったんだけど、適量ってどのくらいのことを言うの」

のようなもの、を作ってばかりいるあつこにそれを聞く?

あつこ「そんなの適当だけど」

夫「適当じゃわからない。小さじ半分とか、大さじ半分とか」

そう言われても適当としか言いようがないのだが。

ここから夫の理科系のこだわりが始まっていく。

たびたびブロッコリーが食卓にのぼることとなった。

なんとスケールを自分で購入。

ブロッコリーの重さと、水の量と、塩の重さをいろいろ試すようになったのだ。

その辺りからキッチンに少しずつ夫の買ってきたグッズが増えるようになる 。

画像1

夫の買ったキッチングッズ第一号。タニタのキッチンスケール。

サラダ編 つづく

(次回はゆで卵登場!トップ画面は、ゆで卵に挑戦し始めたころの写真)

 

編集者注:
明るい弱虫ライターあつこ61さんは、noteで毎日記事を更新中です。https://note.com/atsuko_writer55

 

著者紹介
あつこ(61)明るい弱虫ライター
●明るいのに小心者。びくびく。●日本証券業協会「お金について考えていること」入賞 ●定年「理科系夫」育て●朝日新聞リライフ「ビブリオバトル」優勝 ●関心のあること Apple Watch、睡眠分析、お墓探し、メルカリ、任天堂Switch、ポケモン、二世帯住宅、介護、孫保育、通信大学
●noteで毎日記事を更新中です。https://note.com/atsuko_writer55

 

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