6月の朝 多摩川はワルツを踊る小鳥たち・・・X氏のつぶやき110

朝もやがたちこめる多摩川
眠りから目をさましたウグイスが鳴く
それを合図にワルツを歌いだす
草花が朝つゆをのせて輝きだす
すると朝もやの中から鳥たちが舞い上がる
ワルツのリズムが波を打つ
緑の河原が動き出す
鳥たちが輪になって舞う
白いドレスに赤い靴の少女
鳥たちにさそわれて踊りだす
朝もやの上を赤い靴の少女がワルツを踊るなか
鳥たちは天を舞う

年老いた老人は夢をみる
足をいたわりながら多摩川に
小鳥の鳴き声を聞くたびに
少女のようにワルツを踊った昔を思い出す
6月の朝

天高く白いドレスの少女はワルツを踊りながら
おじいちゃん!と声をかけた
赤い靴を脱いで落とした
少女は朝つゆと共に消え去った

老人の足元に赤い花が咲いた
6月の朝 多摩川のワルツ

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