花と神話~クルミ

ギリシャのラコーニアにカリュアという娘がいました。木のニンフ、ハマドリュアスの子供でした。たいへん美しい娘でしたから、いつしか酒の神ディオニュソスの心をとらえるようになりました。

しかし、かわいそうにカリュアは病気になり間もなく死んでしまいました。ディオニュソスはその死をひどく悲しみ、彼女の魂をクルミの木に宿したのです。そしてその木を見ては美しかったカリュアを偲んでいました。そのことをお産の女神エイレイテュイアがラコーニアの人々に知らせたので、人々はカリュアのために立派な神殿を建てたということです。

ギリシャではしわの多いクルミの果皮が人間の脳(ギリシャ語で「カリ」という)に似ているのでカリヨンと呼んでいました。娘の名前fが同じ語源であることと彼女の姿をクルミに変えたこととは無関係ではなさそうです。

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