闘病記③~変形股関節症を乗り越えて
思えば、私がこの障害と出会ったのは、30代半ばの頃、夜中に目覚めると、右脚の付け根が抜けるようにだるい。痛みはないけれど、脚の付け根から切って投げ捨てたいほどのダルさでした。
近くの整形外科に行って、レントゲンを撮ってもらうと、「変形性股関節症」と診断されました。その頃はまだ痛くなく若さと忙しさで特に何もしないで、湿布を貼るくらいでした。
話はずっと飛んで、50代、痛くなってきたので筋肉をつけるために色々やりました。整体・マッサージ・体操教室・水泳・股関節ベルトなど。これらにどれくらいのお金を使ったことか。それでもなお手術は嫌で、ずっと延ばし延ばしして、何とかごまかしていました。
そして60代、私の周りの少し上の方たちが、次々と手術という方法を選択して行きました。「手術をしてみ、痛みもとれて楽になるよ、サッサと歩けるよ。」と言って進められるようになりました。
かかりつけの先生は「あなたの感じ方次第。痛みがひどくなってきてるなら、決断してもいいよ。紹介状はいつでも書いてあげるから。」という段階でした。
子供達には、「おかあさん、歩き方おかしいよ。お尻つきだしてペンギンみたいにヨチヨチ歩きになってる。」と言われるようになりました。湿布を毎晩貼って寝て、朝目ざめてまだ痛い時は、日中、痛み止めをのんで行動していました。
「やってよかった!」
手術後1か月になりますが、なにより痛みが取れたのがうれしい。まだまだ歩き方はぎこちないですが、あと2か月もするときれいに歩けるようになると思います。もちろん杖なしで……。
私と同じ様な症状で、もし現在手術を迷っている方がおられたら、思い切って決断してはいかがでしょう。手術というものには常に不安がつきまとうものですが、説明をよくお聞きになって納得出来たら、手術をお勧めします。昔と違って今の医療技術の進歩は素晴らしいものです。私の場合は決断してよかったと思います。
これからも、元気に歩いていくために!
田中和子
自分の記事にコメンをトします。
手術をして3カ月半、今では人工関節が入っていることを時々忘れていることがあります。そんなとき「ああ、うまくいってるんやなあ。」と実感します。時々この「闘病記」を読み返して、当時の自分の気持ちを振り返ります。いい意味での回顧録になっています。
この記事を掲載してもらって本当によかったです。 滋賀支局長 田中和子
先週、小谷真生子がメインキャスターを務める、BSジャパン「BSニュース日経プラス10」で股関節の手術について模型を使って詳しく解説する場面がありました。また、腰痛や足首の痛みでも股関節に原因がある場合があるとのことでした。私自身もこれまで全く知らなかったことを聞いて勉強になりました。