スペルミジン

テレビで健康情報番組を見ていて、耳慣れない言葉を聞いた。「リコピン」や「スルフォラファン」ならよく聞くが「スペルミジン」という言葉は初めてだ。どうやら、健康寿命を延ばすのに効果的なものらしい。

スペルミジンは「ポリアミン」の1種で、簡単に言うと、傷ついた細胞を修復させる働きがある。ポリアミンはアミノ酸の一種であるアルギニンから細胞内で合成されるが、加齢に伴ないポリアミンを合成する酵素の活性が低下する。

スペルミジンは、細胞内の老廃物を分解する「オートファジー」(今年のノーベル賞受賞はこの発見)を促進する働きがあり、主に、心臓や血管の細胞の老化を防ぎ、心筋梗塞などの死因を防ぐことで平均寿命が延長すると考えられる。

大豆、キノコ類などに多く含まれる。とくに、大豆を発酵させた納豆醤油味噌には、微生物が産生したポリアミンが高濃度に含まれる。またチーズヨーグルトにも、微生物が産生したポリアミンが多く含まれている。

日本人は大豆を伝統食としてきたが、これにより動脈硬化が抑制されたと考えられている。またチーズやヨーグルトも、微生物が腸管内に生息することで、腸内を良い環境にし、動脈硬化を抑制するといわれている。

これまでの研究で、加齢によりポリアミンの体内合成が減少している高齢者は大豆、 チーズ、ヨーグルトなどの高ポリアミン食を多く摂ることで、リンパ球などの免疫細胞内のポリアミン濃度が上昇する。免疫細胞内のポリアミンが上昇することで動脈硬化が進行しにくい状態になることが考えられる実験結果が報告されています。

因みに、100歳過ぎてもスキーを楽しんだという三浦雄一郎氏の父親三浦敬三氏は、豆腐に、納豆とキムチを載せて毎日食べていたらしい。

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