定点観測~不思議な塀
場所はハイム近くの路地をちょっと入ったところ。
いつ頃からそこにあったものか、日頃、周りに注意を払わない私のことですから、気づいたのは、今年の春。早咲きの桜だよりが聞かれ始め、キョロキョロとサクラ探しをしていたときのことです。
二階建てのお宅の庭に咲いている花が、ひょっとしてサクラではないかと写真に撮って「緑の環境委員長」に見ていただきました。「枝ぶりからするとウメ」とのお返事だったのですが、実はそれ以上に興味を引かれたのが、このお宅の「塀」でした。
同じ太さの枝をずらりと並べて植え、綺麗に剪定して塀の形にしつらえておられるのですが、枝の途中にいくつも大きなこぶがあって、そこからニョキニョキと、カタツムリの角のようなものが突き出ているのです。
ちょっと不気味な感じで、残念ながら写真に収める気にはなりませんでした。
5月、あのこぶから突き出た角の先がどうなったのか、気になって確かめに行きました。すると、予想もしなかったことに、こんな葉がたくさん。
そう、イチョウだったのです。青々と茂って、寒かったころとはかけ離れた見事さです。
ただ、よく見かける幹がドンと太くて、先は三角形にすぼまったようなイチョウの樹とは様子が違います。しばらく眺めて、ようやくわかりました。
これは、イチョウの木の高いところの枝を切り、同じような長さ、太さに揃えて作った塀なのです。
WEBで調べると、街路樹以外にイチョウを植えるのは、神社や公共の場所などで、個人の家の植木には向かないとあります。根が深く広く張るので、あとあと困るからだそうです。
なるほど、植木屋さんか、住人の方かはわからないけれど、ほんとうによく考えて作られたものだと感心してしまいました。
12月に入り、紅葉・黄葉のシーズン。イチョウが色づいてさぞきれいだろうと思って見に行ったら、まだまだという感じでした。日当たりが良いところは、葉が落ちていましたから、残念ながら、黄葉する前に落葉してしまうのかもしれません。
道路には枯葉が落ちているようなこともなく、これにもまた感心させられました。
(U)