パレスチナ問題とは(4)まとめ~新語・難語

毎日ニュースとなっているハマス、パレスチナ、イスラエルについて、歴史的な背景を捉えてみたいと思います。

本日はその第4回目ですが、最終回として、今回ハマスからイスラエルへの攻撃がなぜ起こったか、今後どうなるかについて探ります。

ハマスとは何者か?

ハマス(Hamas)は、パレスチナ・ガザ地区を実効支配する武装組織で、その目標はイスラエルの破壊と、イスラム国家の樹立です。2007年にガザ地区を掌握して以来、イスラエルと何度か交戦し、ロケット攻撃などでイスラエルに対抗してきました。イスラエルと西側諸国(アメリカ、EU、イギリスなど)は、ハマスをテロリスト集団と指定しており、これに対してイランはハマスを支援し、資金や武器、訓練を提供しています。

ガザ地区はどんな場所か?

ガザ地区は、イスラエル、エジプト、地中海に挟まれた領土で、全長41キロ、幅10キロに広がります。この地域には約230万人が暮らしており、世界で最も人口密度が高い地域の一つとされています。ガザ地区はイスラエルとエジプトによって封鎖され、人と物の行き来が制限されています。国際支援に頼る住民が多く、食料支援を必要とする人々も多いとされています。

パレスチナとはどんな土地か?

パレスチナは、現在のヨルダン川西岸、ガザ地区、東エルサレム、イスラエルなど、古代ローマ時代から存在した地域の名前です。この土地は、ユダヤ人の歴史にも関連があり、イスラエルの建国宣言に至る土地としても知られています。しかし、パレスチナ人もこの土地を自分たちの祖国とみなし、ヨルダン川西岸、ガザ地区、東エルサレムを総称してパレスチナと呼びます。この地域における対立と紛争は複雑で根深いものとなっています。

ハマスが攻撃した理由は?

ハマスによる攻撃は予告なしに始まりましたが、パレスチナ人の緊張が高まっていた背景があります。イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区でのパレスチナ人の死亡者数が増加しており、これが今回の攻撃の動機とされています。また、ハマスはプロパガンダ戦を通じて一般のパレスチナ人からの支持を集め、パレスチナ人の感情に訴えるためにイスラエル人を人質に取りました。ハマスはまた、イスラエルに収容されているパレスチナ人囚人の一部解放を要求しており、これによってイスラエルに圧力をかける狙いがあると考えられています。一部の見解では、イランがこの攻撃を仕組んだ可能性も浮上しており、イランは中東の和平合意に反対しているため、今後の展開が不透明です。

どれほど異例の攻撃なのか?

今回のハマスの攻撃は、ガザからの侵入としてはかつてない規模と大胆さであり、イスラエルにとっては過去数十年で最も深刻な越境攻撃とされています。ハマス戦闘員は、ワイヤーフェンスを破り、鉄条網に穴を開け、さらに海からも侵入しました。この攻撃は、1973年の第4次中東戦争が始まった日から50周年にあたる日に発生し、その重要性を示唆しています。

イスラエル情報機関の失態なのか?

今回の攻撃を許したことは、イスラエル当局にとっての重大な失態とされています。イスラエルは強力な諜報機関を保有しており、情報提供者や工作員を配置しているにもかかわらず、この事態を予知できなかったことが驚きとされています。イスラエル軍はフェンスにセンサーやカメラを設置し、パトロールを行っていましたが、攻撃を防げなかったため、国内外で批判の的となっています。

次に何が起こり得るのか?

ハマスの司令官は、占拠を一掃する作戦に参加するようパレスチナ人や他のアラブ人に呼びかけており、この呼びかけにどれだけの支持が集まるかが大きな問題となっています。イスラエルは複数の前線で戦争の可能性を見据えており、ヒズボラなど他の武装組織が巻き込まれるリスクも存在します。和平合意の実現に向けた道は険しいものとなっており、今後の展開が注目されています。

参考文献:BBCニュース・ジャパン

 

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