動物園でカラスをみる
先日、2歳の姪を連れて動物園へ行った。私にとっては何十年ぶりに行く動物園だ。私は決して動物が嫌いなわけではない。いや、むしろ好きな方だ。テレビなどで特集があれば間違いなくみている。しかし、なぜか動物園に行く機会を作ることをしてこなかった。そんな私が姪っ子のお陰で久しぶりに動物園に行くことになった。
「明日はぁサバンナにいくの!」
嬉しそうに何度も言う姪をみていると「これは年間パスポートの購入もありか!?」なんて考えが頭に浮かんでくる。
前日、私は園内マップを確認しながら見学ルートを考えた。そういえば昨今の動物園のスターはだれなのだろうか。上野動物園ではパンダに違いないが一般的な人気はどうなのだろうか。個人的に私はカバが好きだが姪は一体どの動物にひかれるのだろうか。王道はキリン、ゾウ、ライオン、ゴリラ、トラあたりか。
当日、空は青く晴れ気温も涼しく活動しやすそうな日だった。正午過ぎに到着。まずはキリンだ。私は姪を抱っこし進む。思ってた以上に敷地が広く結構な勾配もあり早くも息があがり始めたが弱音を吐くわけにはいかない。姪を抱えながらなんとか坂を登って下ってキリンのエリアに到着。
さぁ姪よ!これが本物のキリンだよ!!あまりの大きさに興奮したまえ!!
そんな私の思いとは裏腹に姪の反応は「キリンさんだねぇ」の冷静な一言。あれ!?もっとはしゃぐとかないの??
「ほらほら!首長いねー!!大きいねー!!」
私は一生懸命キリンの魅力をアピールするのだが姪のテンションはあまりあがらない。そうか、キリンは残念ながら姪のストライクゾーンに入らなかったか。まぁまだ他にもスターはいる!こんどはゾウだ!!姪を抱えて再び移動。
「ほらっ!ゾウさん…は…ちょっと遠いね…」
タイミングの悪いことにゾウが少し遠目の所で草を食べていたのだ。当然姪のテンションは上がらない。
「つ、次行ってみよー!次はライオンだよ!!ライオンは凄いぞー!!!」
こうなったらライオンに頼るしかない。なんてったってキングofビースト!なんならちょっとくらい驚かしてくれてもかまわないから姪のテンションを上げて欲しい!!
しかし、そんな私の願い虚しくその日のライオンはかなりやる気ない感じだった。昼過ぎで眠かったのだろうか…そもそもオスが見当たらない…。
「あれ?王様は…」
もちろんこれがリアルなのだから仕方がない。入園者を喜ばす演技を動物に求めるのは人間の驕りでしかない…とは言え姪を抱えての移動とメンタル的なショックを受けた私はさすがに疲れてしまい休憩することにした。
ベンチに座る私と姪。すると
「あれはなんだろう?」と急に姪のテンションが上がった!
お!?もうなんでもいい!この姪っ子のテンションを上げてくれるなら…と視線を向けた先にいたのはカラスだった。
「あそこにもいるね。くろだね。」
なぜなんだ!姪よ!!カラスは近所で見かけないかい??何かに興味を持つことは大切なことだ、しかし…動物園に来たんだから…せめて…というのは私のエゴなのだろうか。
とにかくカラスに興味津々な姪。「そ、そろそろ行こうか?」と声をかけてもなかなか行こうとしない。結局どの動物よりも一番長くカラスを観察し続けた姪。この後に見たカンガルーもオラウータンもトラも数秒で「つぎいこーか」の一言。それでもめげずに次へ次へと私は期待を動物に押しつけては無惨にも散っていった。そしてタイムアップ。
帰りの車中、私は姪に恐る恐る尋ねた。
「今日楽しかった?」
「うん!!」
「そっか…それならね…よかったよね」
そうだ。彼女が彼女なりに楽しかったのならそれでいいのだ。どこに行ったかじゃない。何を見たかじゃない。今日が楽しかったならそれでいいんだ。そんなことを自分自身に言い聞かせつつも姪がもっと大きくなった時に今日の話をしてみたいと私は思った。
「君は動物園でカラスに夢中だったんだよ」と。
まーぼー
まーぼーおじさん、お疲れさまでした。
こどもっておもしろいですよね。かわいい姪ごさんが大きくなったときに話してあげる楽しみができましたね。どんな反応をするのでしょう。これからもこんな体験を積み重ねてあげるといいですね。
がんばれ、おじさん!!
miikoさん
コメントありがとうございます!
なかなかこちらの狙い通りにはいかないことが多いですがそれはそれで大きくなった時に話す楽しみにしたいと思うので、これからも色んなところに連れて行きたいと思います。
がんばります!!