明るい弱虫ライターあつこ61のびくびく日記（53）泣き声20%増し

もちろん子連れである。

なっちゃんの息子のまーくんは7ヶ月になった。

ずりずりとお腹をつけて
移動している。
そろそろハイハイができそうな勢いだ。
見るからに活発で、動けるようになったらそうとう大変だろう。

なっちゃんの1日はまーくんを基本に回っている。

離乳食が2回食になった。
お粥や白身魚、にんじん、ほうれん草などを茹でてつぶして食べさせる。

もちろんその後はおっぱいを飲ませている。

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まーくんは、ママ似である。
色白で、固太りで、活発に動き回る。
その姿は30年前のなっちゃんとまるで同じで

なっちゃんは初めての子育てをがんばっている。

おむつも頻繁にかえて
抱っこしてあやして歌を歌って。
お風呂に入れて、洗濯して、
寝かせつけて。

その合間にご飯を作ってお掃除をして。

その姿は30年前のあつこの姿。

ああ、ここにあの時のわたしがいる。

「子育ては母親がするのが当たり前」

誰かにその頑張りを
ほめてもらった記憶は無い。

そういうものだと思っていた。
結局のところ若さで乗り切っていた。

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なっちゃんがなんとなく疲れた顔をしている。

あつこは話をする。

「離乳食は無理して食べさせなくて大丈夫。
生協の市販品や、レトルトパウチを使ってもいい」

「大変な時は
なつおくん(なっちゃんの夫)にちゃんと言ったほうがいいからね」

うん、うん、と生返事のなっちゃん。
たまに聞く母親のお小言だと思っているのだろう。

やっとまーくんが寝て
つかの間の休憩時間。

ふうう、とため息をついて
リビングに戻ってきたなっちゃん。

「なっちゃん、がんばってるね」

そう言ったらなっちゃんは笑った。

「大変だけど、かわいいから。
でも時々疲れちゃう」

お茶飲んでとりとめのない話をしていると

見守りカメラから
(寝ている間の赤ちゃんの姿が見られるカメラ。
赤外線搭載で暗闇の中でも赤ちゃんの姿がしっかり見える)

まーくんが
寝返りをして
目が覚めて泣き出す画像が
送られてきた。

あわてて子供部屋に向かうなっちゃん。
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あつこは
そのまま見守りカメラの画像を見ていると…。
(音声も入る)

なっちゃん「まーくん、どうしたの」

顔を持ち上げたかと思うと
まーくんは20 %増しくらいの
さらに大きな声で泣き始めたのである。

ママに自分のほうにすぐ来て欲しい。
なっちゃんの声がしたとたん
さらにひどく泣き始めたわけだ

生まれながらにして知っているんだな。

自分が子育てをしているときには
必死でいちいち気がつかなかった。

おばあちゃんの立場になって
客観的にみると
改めて驚いてしまう。

ううむ。赤ちゃんってすごい。

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子育て時代のあつこに
おばあちゃんになったあつこから
エールを送ってあげたくなった。

「頑張っているね。
少しぐらい手を抜いても大丈夫だから。
お母さんの笑顔が1番だから」

子育て時代の自分の笑顔が見えた気がした。

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なっちゃんは明日には自宅に帰る。
心が疲れたらまた遊びにおいで。