栴檀は双葉より・・・
野暮用が有って、先週、久々に大阪の中心街に外出、コロナ問題で各種の飲み会やOB会等全て中止に成っているので、中心街に出掛けるのは3月以来、今年2回目なので少し地下街で迷ってしまいました。
最寄り駅迄の途中にある栴檀(せんだん)の大木が一杯に花をつけていましたが、特段の香は漂っていません。
「栴檀(せんだん)は 双葉より芳し」の諺は古来から良く知られています。その意味は「大成する人は、幼い頃からすぐれている」ですが、これは平家物語で、誤って広まったもので、その実態は全く異なったものです。
- 本来栴檀と言うのは、発音が良く似ているインドなどにある熱帯性の常緑樹「白檀―びゃくだん」を意味し、日本には、白檀の木は生えていません。そして白檀の木は、香木としてしられますが、その若葉は全く香りが有りません。
- 日本に自生する栴檀は、棟―オウチと呼ばれるもので、インドにある栴檀/白檀とは全く別種のものです。
日本の栴檀は、秋にはオリーブの小型の様な実が成り、小鳥が啄んで糞として放出、周辺には実生の若木がアチコチにそだっていて、何度も若葉を揉んで香りを嗅いでみても青臭い匂いがするだけで、古来からの諺を長年に亘り不思議に思っていました。
近年に成って、古来からのこの諺が、間違いだらけのまま伝わったと知って納得した次第です。
山仲春男