災害ボランティア体験記

我が編集スタッフの1人(Aさん)が実際に参加したボランティア体験をもとにボランティアに対する思いを語ってくれました。

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「3.11」――毎年耳や目にする月日。2011年の東日本太平洋沿岸大津波の日です。

今年も、数日前からTVやラジオ等のメディアが特集を放映しました。

2011年から丸11年。

現在は現地の人々の苦労と頑張りで、災害が無かったかのように復興しています。しかし、被災して身内や友人を亡くした人々の心の中には、未だに悲しい、辛い記憶が残り、心は癒えていません。それを知り、理解して差し上げる事が大切です。

これは私の体験記です。

2011年4月下旬、大津波の1ケ月後に岩手に入りました。

内陸にある遠野市に立ち上がったボランティア団体「遠野まごころネット」に参加し、壊滅的被害を受けた釜石市、大槌町、大船渡を中心に10日間活動しました。

その後も時間ができるとバイクや車で6回、通い続けて事務局でスタッフ活動や、後半は東京本部を立ち上げて、たくさんのボランティアを送り続けました。

日本は地震、津波、豪雨、火山爆発等の災害が多い国です。皆さんの故郷でもそれで心配されたことがあると思います。

私の災害ボランティア活動はその後も続き、茨城の竜巻、山梨の雪害、熊本と阿蘇山の地震、岡山真備町の水害、近年は房総半島豪雨、それらの被災地へ向かいました。

災害ボランティアは一度参加すると全国区から集まった沢山の仲間ができます。

どこかで災害があると「Aさん、いつ来るの?」と必ず連絡が来ます。

そこで返事をします。

「OK分かったよ、近々行くよ!その代わり夜は皆で飲むぞ!」と。

ボランティアは「してあげる!」ではなく「させて頂く!」の精神が大切です。

同じ日本国民として、人間として助け合うのが当たり前ですから。そして、いつ自分の身に起こるかもしてない事でもあり、その時私たちはどのように行動したら良いか、その経験にもなるのです。

私はいつも次のように言っています。

時間がなくて活動ができなくても、支援物資を送ったり、寄付したりできます。そして時間がなければ現場へ半日見に行くだけでも良いです。それはメディアの報道だけでは伝わって来ない、見えない事が多いからです。被災地の人々は、

「本当の現状を見てもらえるだけでも良いです。誰も来ないと、忘れられたようで悲しいのです」

と言います。

被災地のボランティア活動では沢山の約束事があります。

重要な事は、交通手段や現地での衣食住は全て自分で確保。つまり、ボランティアは支援の為に行くのであって、被災地で逆にお世話になる事は本末転倒になりかねないので心せねばなりません。現地社会福祉事務所や役所やボランティアセンターの情報や、先発のボランティアさんの発信した情報をネット等でしっかり調べて、自分は何ができるか、何を準備したら良いか、その上で出発することが大切です。

そして現地の活動の邪魔にならない行動を心がけます。例えば、厚意の気持ちでも何も調べず勝手に衣類や布団等を送りつけても、それが多すぎて置く場所もなく困ってしまう事例も多いからです。

私の経験では、体育館にダンボールの山ができて、その箱の中の内容が書いてないものが多く、ひとつひとつ開けて確認する作業は大きな手間となり、さらに偏った支援物資で、本当に必要とする物資が少なかったり、結局最後まで開けてみる時間がなくて、眠ってしまった支援物資も多かったからです。

下記も良く読んで行動しましょう

被災地へ支援に向かう時、事前に現地の状況をニュースやネット情報をしっかり調べます。現地のボランティアセンターへの問い合わせは、必要最小限にします。なぜなら、事務局は大変な混乱の中で、昼夜問わず被災者支援を行なっています。そんな中で、中には電話で「明日手伝いに行くから、今の状況を教えなさい?それから泊まる所はどこか?交通手段はどうなっている?」などと、横柄に長々話す人がいます。そんな電話を受けて、悲しくて泣きだす女性スタッフもいました。私もそのような電話を何度も受けました。

「ありがとうございます。すみませんが、まず専用サイトをごらんください。そして、そこで案内されていない場合、できる限り衣食住等はご自分で調べて確保してください。現状は日々変化してますので、ネットから新しい情報を得て下さい」とお伝えします。

重ねて申し上げます。被災地は混乱しています。ですから「ボラしてあげる」ではなく「ボラさせていただく」の精神で、できる限り現地に負担をかけず、自分で調べて頂きたいのです。

知識の一部ですが> 

  • 全国の被災地へバイクや車で行く場合は、現地の受け入れ証明書を発行してもらうと、高速料金は全額無料。
  • ボラする時は必ず、自分の地域の社会福祉事務所で、ボラ保険に加入。安いです。そして必須の保険です。

最後に

災害ボランティアを経験された方がいらっしゃったら、その経験を一緒に語り合って、このハイムでボランティア仲間を増やしましょう。

経験のある方、経験はないけど知識として知っておきたい方、どなたでもコメント、またはご連絡先だけでもお知らせください。いつか、機会を作って語り合う場を用意したいと思います。どうぞ宜しくお願いいたします。

 

 

災害ボランティア体験記” に対して2件のコメントがあります。

  1. アバター suzu より:

    あれから11年ですね。
    私は犬の散歩中でハイムの広場で遭遇しました。
    1号棟と2号棟が揺れて最初は同じ方向の揺れだったのですが、
    最後は「こんにちは」状態でした。どひゃ・・即帰宅しましたが被害は皆無でした。
    ハイムでも支援物資の活動もありましたね。
    現地に行かれて被災者に寄り添って活動なされて事頭が下がります。
    奉仕してやっているんだと言うの事では無く
    やらせて頂いている事が大切だと記事に感動しました。
    心に

  2. アバター 東賢太郎 より:

    Suzuさん、コメントありがとうございます。
    私は小売業の自営で、家族もスタッフもいますので、時間を調整出来るので可能でした。
    これからもできる範囲で活動します。

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