シリーズ多摩川 (4) 多摩川の自然環境

多摩川中流域の礫河原には、河原に特有で貴重種のカワラノギクなどの植物が見られますが、一方でハリエンジュ等の樹木の繁茂が著しくなっています。また、魚の遡上の障害となっている堰に魚道を新設・改築したことなどにより、天然アユの遡上が見られています。

多摩川の自然環境と河川景観
多摩川上流域は、御岳渓谷や秋川渓谷に代表される山岳渓谷美に富んだ清流となっており、そのほとんどが秩父多摩甲斐国立公園に指定されています。なお、これらの渓谷は昭和59年に多摩川八景選定委員会によって多摩川八景に選ばれています。

多摩川の自然環境と河川景観
中流域では豊富な礫河原を有しており、河原に特有で貴重種のカワラノギクなどの植物がみられますが、ハリエンジュの繁茂が著しくなっています。また、カワラバッタなどの昆虫やイカルチドリ、コチドリなどの鳥類も生息しています。

多摩川八景に選ばれている河口部の干潟にはヨシ原が広がっており、塩沼湿地性のウラギクなどの貴重種の群落が見られるとともに、ヒヌマイトトンボやトビハゼ等の貴重な生息域となっています。

多摩川の水質
多摩川の水質は流域内の都市排水により悪化していましたが、流域の下水道整備などにより、環境基準値を満たしています
水辺の学校のイベント等により、環境学習が盛んに行われています。

多摩川でのアユ保護と改善の取り組み

多摩川はアユの保護と遡上の支援において先進的な試みを行っています。その取り組みについてご紹介します。

魚の遡上支援のモデル事業
多摩川は、魚が遡上しやすい環境づくりを進める「魚がのぼりやすい川づくり推進モデル事業」のモデル河川として選ばれました。このプロジェクトでは、アユなどの魚が遡上するのに障害となる堰や魚道の整備が行われました。

堰や魚道の整備
堰やダムは魚の遡上に障害となることがあります。多摩川では、この問題に取り組み、魚道や遡上支援施設の整備が続けられています。これにより、アユなどの魚がスムーズに川を遡上できる環境が整えられました。

成果と効果
多摩川の取り組みにより、天然アユの遡上数が増加するなど、明確な成果が見られています。この努力によって、魚たちの生息環境が改善され、水生生態系の健全な発展に寄与しています。

まとめ
多摩川はアユの保護と遡上支援の分野で模範的な取り組みを行っています。魚道や遡上支援施設の整備により、魚の遡上がスムーズに進み、水生生態系の健全な発展に寄与しています。これからも継続的な取り組みで、多摩川の魚たちがより良い環境で生息できるよう努力が続けられていることが伺えます。

 

参考:国土交通省

 

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