秋3題●その②「ハイムの夢物語」・・・X氏のつぶやき118
おーいヒヨドリくん 君は一年中天気だね
僕はもう春まで眠りにつくよ とダンゴムシさん
ヒヨドリくんが 言った
スズメくんも一年中元気だよ
いいなぁ、いいなぁ と言って
ダンゴムシさんは深い落ち葉の中にもぐったり大きな石の下に入ったり
長い長い眠りについた
初秋に咲いていたハイムの花たちも寒さに強い花に代わっている
大きく力強く伸びていたケヤキの木も葉を落として冬に向かっている
桜の木も眠りについたようだ
富士山もシルクのマフラーを巻いた
小春日和の散歩道を ポトポトと人の足音が多摩川に向かう時
堤にはススキの穂が輝いている
その間をコスズメが枯草の実をついばんでいる
多摩川は秋の色に染まり
緑一面に茂っていた草木が冬支度を始めると
渡り鳥がやってくる水の中
初めて飛んできたこどもがいるのかい
多摩川でゆっくりして大きくなっておくれよと多摩川の仲間が言ってるよ
モズがどこかで鳴いた
おーい みんな、元気で冬を迎えようね