孫からの手紙・・・X氏のつぶやき91
もう十年も前のことですが。
孫娘からおばあちゃんに手紙が来た.
幼稚園にいきはじめたころのことです。幼稚園の先生に教えられて、たどたどしい文字でおばあちゃんに書いてくれた『おてがみ』です。
「おばあちゃん、おたんじょうびおめでとう。おばあちゃん、だいすき。 げんきでね」
絵日記のようなお手紙でした。
そのおばあちゃんは、もうお手紙の返事が書けません。孫娘からの手紙はおばあちゃんのアルバムの中で眠っています。私は時々おばあちゃんにかわって何度も読み直すのです。するとおじいちゃんにも手紙がはいっていました。
「おじいちゃん、たい、おくってくれてありがとう。おじいちゃん、だいすきです」
私はこの孫娘の誕生日のたびに真鯛を釣っておくっていたのです。
そんな私に刺激されてか、孫娘はパパが釣りに行く時にはいつもついていっているのです。彼女専用の海釣り用の釣り竿を買って与えてあります。彼女は十歳になった頃から、釣った魚を自分も料理をしたいといってなめろうをつくるそうです。
「おじいちゃん、わたしタコ釣りにいきたいの。つれていってくれますか?」
と手紙がきます。そんなやりとりをしながら孫娘は中学三年生二なりました。釣り好きの孫娘は、いまは学校でミユージカルに夢中だそうです。
もう海釣りはしないのかと思い手紙を書いたり電話をすると、なんの勉強の合間に、パパについていってるようです。
「パパはさっぱりつれないよ。わたしはアジを5匹釣ったよ!ななめろうにして食べたよ。おじいちゃんは釣りにいってるの?」
最近はおばあちゃんにかわっておじいちゃんが孫娘と手紙のやりとりをしています。孫娘は面倒かもしれませんが。
私の四十歳、五十歳時代は、仕事撮影のロケ、キャンペーンの取材などで地球上を飛び回っていました。その度に外国のホテルから必ず四国の田舎で商売を切り盛りしている母親に手紙をかいたりはがきをだしました。母にしてみれば
「アラバマはどこな?」
「フイレンッエはどんなとこな?」
私の手紙を受け取る度に跡継ぎの長男の嫁さんにきいたそうです。
あの子は飛行機に乗るのが怖くないのか?と心配したそうな。その反面私の事をどえらいことをする息子だと思っていたようです。
私は学生時代胃腸が弱く母に心配のかけどうしでしたから、今は元気で世界を飛び回っていますと伝えていたのです。そうして母に書いた手紙、はがきは百通を超えていました。今は、四国のいなかの仏壇におかれてあるそうです。おねえさんのはからいですが。
母はわたしの手紙が届く度にうれし泣きをしていたそうです。私は、「お母さんありがとう!」という一念で書いたものです。見知らぬ土地でひとりホテルで寝る時に寂しくて母にかたりかけたかったのですね。あらためて、お母さん!ありがとう!
今、孫娘から妻、おばあちゃんへの手紙がかさなってきます。
手紙を書く。
ラインでもなく、メールでもなく、紙に文字を書いて自分の気持ちを伝える手紙。
書いてみませんか?
妻であり母であるお母さん、時には誰かのお誕生日にお手紙を書いてみてください。きちっと封をしてわたしてください。
手紙は人の心にとどきます。
受け取った人は、ワクワク、ドキドキしながら開封するのです。そして返事は手紙になるのです。その手紙は時間が経つとその人の宝物になるのです。と私はおもうのですが。
ほんの一行でいいのです。
「あなた、いつもありがとう 妻より」
「君が元気でいてくれてぼくは安心してはたらけます。 おっかおおきに! 夫より」
「サッチャンは我が家の宝物だよ 母より」
「ケンチャンは我が家の王子さま 父より」
とは書けないかもしれませんが、これくらいの気持ちを伝え見てください。お子さんに変化がみえます。つぼみが膨らんで、花開くように、こどものこころも開いて生き生きした生活がみえてきます。
叱るより、ほめる!
ほめてから、本当の事をゆっくりつたえていく、それが手紙かもしれませんね。手紙は時として自分を見つめる機会にもなります。
ありがとう!という手紙をかいてみませんか?はじめはてれくさいかもしれませんが、書いてみてください。穏やかな気持ちになります。
さ!はじめてみませんか?
私は、中学三年生の孫娘と船釣りに行く約束をしております。彼女の誕生日に送っていた鯛釣りに!コロナが終息したら行くのですが、思うだけでもワクワクします。神戸から相模湾の鯛釣りにやってくるのです。これが実現するまで元気でいなくてはと思うこのころです。
どうかお孫さんとはお手紙始めて見てください。楽しい生活が始まるかも!
孫からの手紙、孫への手紙!
夢がひろがります!
5月27日