オニヤンマとクロアゲハの恋・・・X氏のつぶやき89
ぼくは,二ヶ領で生まれたオニヤンマ。時々おおきな建物のハイムに遊びにいくんだ。その時みかんの木にクロアゲハの青虫をみたんだ。葉っぱの陰に隠れていないと鳥に食べられるよ、と心配しているとさなぎになっていた。もう大丈夫だ!とぼくは安心して毎日二ヶ領からみにきていたら、さなぎは脱皮をはじめた。
おお!凄い!頑張れ、クロアゲハ!さなぎが頭をだした!
足をだした!羽もだした。ゆっくり羽をひろげた!
お—い、クロアゲハさんよくやったね。ぼくオニヤンマ。ぼくの背中にとまらないか?美しい二ヶ領にいかないか?
わたしを連れていってくれるの?
きみは今生まれたばかりだ。ぼくがつれていくよ、仲間のたくさんいるところに。
ほんと?怖くないの?
ぼくがいるから大丈夫!背中にとまりな!とまったかい?いくよ!とぼくはクロアゲハを背中に乗せて飛び出した。
クロアゲハははじめてのたびにでかけた。オニヤンマの背中は気持ちよかった。スーイスーイと飛んで二ヶ領の川面にきた。
水の中で泳いでいるのはなに?
アゲハは始めて見た大きな魚におどろいた。
ああ、あれは鯉だよ。
怖くないの?
みんなともだちだよ。ほら!挨拶してるよ.水の中ではクロアゲハをみるなり魚がおおきな輪をえがいた。
こんにちわ!ぼくたちおさかな、よろしくね。
オニヤンマは、水面すれすれを飛んだ。クロアゲハはひやひやしながらはじめての冒険を楽しんだ。
あっちには、鴨の親子がいるんだ。挨拶をしにいこうか、と川筋をオニヤンマは飛行した。
どうだい、きもちいいかい?
さいこうよ! はら!鴨の親子が川の石の上で休んでいるやろう?
鴨さんもともだち?
そうだ。鴨さんの近くに行ってとまるからね。
少し怖いよ。
鴨さん、クロアゲハをつれてきたよ。
ああ、よくきたね、ここにおいで。と川中の石の上にまねいてくれた。子鴨は川の中に入って泳いでみせてくれた。そのまわりでは水すましもあそんでいた。
クロアゲハさん、きみも川中を飛んでみな、気持ちがいいよ。
と鴨に誘われてクロアゲハもひとりで飛び立った。風に吹かれて水面に落っこちかっかたが、オニヤンマがすかさず飛んでいって助けた.鴨が言った。
仲良しなんだね。ときどき僕たちに会いにきてよ。
くるよ、またくるからね、とオニヤンマは鴨に別れを告げた。ふたたびクロアゲハを背中にのせてハイムにむかった。
どう?楽しかったかい?
うん!また連れてきてね。
オニヤンマはクロアゲハの生まれたハイムのみかんの木まで戻ってきた。
さ、ついたよ。ここがきみの生まれ故郷、またあたらしいクロアゲハを育てておくれ、ぼくがまた背中に乗せて散歩に連れていくよ。
オニヤンマ、今日はありがとう!また遊んでくれる?
オニヤンマはそれから、ハイムにやってきて、みかんの木の前でホーバリングしてみかんの木の様子を見ていると、青虫の幼虫をみつけた。
あ!葉っぱの裏にかくれなさいよ。鳥に見つけられると食べられるよ。
そうしてオニヤンマはまたクロアゲハを背中に乗せて二ヶ領に連れていく事が出来ました。
ハイムのみなさん、まもなくクロアゲハが私たちのまえを飛んでくれます.クロアゲハにであったら、オニヤンマとの恋を思い出してくださいね。